根にヒビが入った歯を救う①-口腔内接着治療-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
突然ですが、歯を失う原因にはどのようなものがあるかご存知ですか?
答えは、むし歯・歯周病・歯根破折などが考えられます。特に歯根破折に関しては、過去に神経治療が行われて残存歯質量が低下しているような歯は脆くなっているため、割れたり折れたりするトラブルが起きることがあります。さらにもう少し詳しくお話しますと、破折の原因の一つに金属製の土台(メタルコア)が装着されていることがあります。メタルコアは金属ですから、歯よりも硬すぎて弾性がほとんどないため、食事したり歯を噛みしめたり歯ぎしりをした時にくさびのように天然歯の方に負担がかかって歯の根が折れてしまうことがあるのです。
現在では、新しい土台材料や強力な接着材が実用化されていますが、従来の金属を土台にした治療はまだまだたくさん見かけます。10単位における長期間を経過した方々には、加齢による象牙質の脆弱化も加わるため、破折のリスクはますます上がっていくことでしょう。
一般的に破折した歯は抜歯の対象となっています。
今回のテーマは、「ヒビの入った歯を救う」になります。接着治療の進歩により、割れた歯も抜かずに残せる場合が多くなりました。あきらめずに診断を受けることを当院ではオススメしています。但し、歯の状態によってはその全てを救うことは難しいこともあること、自費治療であることをご了承下さい。
接着治療には、口腔内接着と口腔外接着の2つの術式があります。言葉どおりで口腔内接着はそのまま口腔内にて接着する術式であり、口腔外接着は一度抜歯して口腔外で接着して、再び元の場所に戻す術式です。
症例です。
38才 女性
右下6番
数日前から右下6番において、歯の痛みと腫れを訴えて他院を受診。根尖病変が認められ、根管治療の必要性を指摘された。マイクロスコープによる根管治療を希望しており、当院を受診しました。
術前のレントゲン写真です。
近心頬側(MB)根において、根尖付近を取り囲むように根尖病変を認めます。根管内の細菌感染によって化膿した状態か、もしくは歯根破折のようなヒビからの細菌感染によるものか、冠やメタルコア(土台)、ガッタパーチャと呼ばれる根管充填材の除去を行い、根管内を確認していく必要があります。
続きは、次回のブログをお待ち下さい。
原因の解明から治療の流れについて書いていきたいと思います。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹