連結冠の不適合①
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、「冠の不適合」です。
口腔内に装着されている被せ物や詰め物において、歯との境界部分にあたる部分に隙間やオーバーラップがある場合、それらの被せ物や詰め物は歯に対して不適合な状態と言えます。不適合な被せ物や詰め物は歯周組織に悪影響を与えることが考えられます。冠に対して張り出 している部分は、ブラッシングの妨げとなります。歯ブラシの毛先が張り出した部分に 邪魔をされて歯周ポケットの深部まで届かなくなってしま うわけです。歯ブラシが届かなくなることによりプラークと呼ばれる細菌の塊が付着したまま放置される状態になります。プラークは唾液中のカルシウ ムやリン酸により石灰化し硬くなり、自分では取り除くことの 出来ない歯石になります。歯周ポケット内にプラークや歯石が付着していると 歯肉が炎症を起こし、出血や腫れなどの原因となります。さらに細菌感染が進むと、歯周組織や歯を支える骨が破壊されてしまいます。このように、不適合冠は歯周組織に悪影響を及ぼすのです。また、当然隙間からむし歯菌の侵入が起これば、深部への感染によって根尖性歯周炎を引き起こす可能性もあります。やはり、当たり前ですが不適合な物から適合の良い物に作り変える必要がありますよね。
症例です。
患者様より連結ブリッジが装着されている右上2番の段差部分が審美的に気になるので治療して欲しいという希望がありました。
43才 女性
右上2番
術前レントゲン写真です。
右上2番において、冠と接続している歯根部に段差が認められます。
明らかに不適合な状態です。
術前における口腔内写真です。
拡大画像です。
右上2番のみ冠と歯の境界部に段差がはっきりと認められます。
但し、今回のケースは右上2番が単冠ではなく、連結ブリッジの一部として組み込まれている状態です。やり直すためには上手く右上1番と2番に対して切り離す必要があります。
上手く切り離して、土台をメタルコアからファイバーコアへ変えました。
仮歯の作製を行い、仮着するところまでを初回の治療として終えました。
次回は、セラミックによる即日治療にて技工士さんと色や形など打ち合わせしながら行う予定です。
この治療経過は、後日またご報告させていただきます。
お疲れ様でした♪( ´▽`)
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹