歯の移植治療のアップデートの実際② ガイド、再生療法、深め埋入(MTM)編
こんにちは!ハートフル歯科総合グループ 歯科医師 小坂井竜也です。
これまではアップデートされた歯牙移植治療についてお話ししていきました。
基本的には4点
①移植歯レプリカの利用
②移植ガイドの作成
③再生療法
④深め埋入(MTM部分矯正の応用)
があり、前回は①に関して臨床上で特に有効だった点をお話ししていきました!
今回残りの項目についてお話しをしていきたいと思います。
では早速②に関してです。
ガイドの利点は安全や治療の質をあげていくのはもちろんですが、やはり移植に関しては
インプラントよりも骨を削除していく範囲が広いのが特徴ですので、特に歯が元々ない部分に関して非常に有効でありました。
③の再生療法の応用に関しては、時に上顎のケースで感じることができました!
数値に表すことができないため、客観的評価は難しいのですが、特に上顎の場合は骨が薄く移植歯が定着するまでは半年から一年ほど待つ場合もありました。
この再生療法を利用することにより、体感でも移植歯の生着スピードが早いという実感があり、通常より早く噛めるようになりました!(当然下顎でも同じことがいえます)
④の深め埋入に関しては、完全に骨に埋まってしまっている親知らずを移植する際には必須でした!
これができないと、移植に関しては不可能だったでしょう。
なぜなら完全に骨に埋まってしまっていて、横に寝てしまってい歯だったので、抜くときに歯の頭を削って落とさなくてはなりません。
出来る限り歯を残したいのは山々なのですが、こればかりは抜くスペースが骨と隣の歯の関係上歯の頭を除去しないと不可能なのです・・・
なので、シミュレーションはC Tやレントゲン上でおこなうのですが、どうしても、このようなケースは移植の歯自体が短くなってしまうこともあります。
そのまま、移植を行うと、深すぎて歯が歯肉に埋まり切ってしまいます。
歯を浮かせて移植を試みると、歯としての根っこが短くなることと同時に、移植に大切な根っこの靭帯の膜が露出してしまうので、成功率が著しく下がる可能性があるのです。
しかし、深めに移植して、後ほど上にゆっくり引っ張ってあげれば、移植歯と受ける側の密着性は当然通常より良好になり、また引っ張り上げることにより自分の骨と歯肉もついてくるという素晴らしい技法となります。
注意点は、当然残った根っこが短すぎる場合は、移植不可能であること。
保険が聞かない自費治療になることです。
これらは、今の時点で良好な結果がついてきている症例です!
これらのように、場合によっては通常の移植治療では難しかったケースも対応できる場合がございますので、気になる方は一度お問い合わせください!
全ては患者さんのために!