こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、根管治療について書きたいと思います。
まず、今回は根管治療を行う前の診査についてです。
はじめに患者さんの問診を行います。
患者さんから今回の来院の目的(一番お困りな点等)などを聞きます。
今回のケースの方は左上の歯に穴があき痛みが強く、夜眠れないこともあることを主訴でした。
こちらが口腔内です。
左上の前から4番目の歯に穴が大きくあいています。
むし歯が大きく広がり歯が欠けています。
これが痛みの原因の可能性が高いです。

X-P写真(レントゲン写真)撮影を行います。

X-P写真から茶色の部分はむし歯を表しています。
赤色は歯の神経(歯髄)を表しています。
茶色のむし歯の部分が赤色の歯髄と重なるほどむし歯が大きく進行しています。
歯髄にまで細菌感染が起こったことが今回の歯の痛みの原因だと思います。

その他の診査としては歯をたたいて反応をみる打診痛を確認します。
歯が動いているか動揺度を確認します。
歯髄が正常に反応するか微量な電気を流して確認する電気歯髄診断があります。
以前ブログの電気歯髄診断です→https://heartful-konkan.com/blog/dr_motoyama/12019
歯の温度変化の正常な反応を示すか冷水痛を確認します。

こちらはGC社のPULPER DENTAL COOLANT(歯髄診断用冷却材)です。
こちらを使用しています。
PULPER DENTAL COOLANT(歯髄診断用冷却材)はスプレータイプで冷たい霧のような液体が出ます。

上の画像は左手にピンセットを持ちPULPER DENTAL COOLANT専用のスポンジをピンセットの先に把持しています。
スポンジに向けてスプレーを振ります。
ピンセットで冷たくなったスポンジを把持したまま歯につけます。
冷たくなっているスポンジですので歯髄が正常な歯は冷たいと感じたり、しみたり反応します。しかし、この検査をしても反応がない場合は歯髄が正常に機能していない可能性があります。
これらの検査がすべてではありませんが、患者さんの訴える症状や歯科医師が必要と判断してX-P写真、打診、触診、動揺度、歯髄診断(電気歯髄診断器、歯髄診断用冷却材など)等を総合して根管治療が必要かどうか診断していきます。
今回のケースは残念ながらむし歯が大きく進行して歯髄にまで炎症があるため歯髄を除去する根管治療が必要となりました。

次回は実際の治療の流れについてです。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科