こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 小坂井竜也です!

前々回は歯質が歯肉の上に残ってないと(フェルールがない)保存できない抜歯適応の歯になるとお話ししました。

痛くないのに抜歯!?①必要な歯質、フェルールについて

前回は、その歯質がない歯をなんとかして残していくMTM(エキストリュージョン)、APF(歯冠長延長術)についてご説明しました。

歯質が無い歯を救う方法~痛みがないけど抜歯といわれた!?②

それをふまえて今回は実際の症例をご紹介いたします。

右上4番目の歯の被せ物が土台ごと取れてしまっている事を主訴に来院されました。

これまで何回も取れてしまっているそうです。

実際のお口はこのような状態でした。

わかりやすく模型で見るとこのような感じです。

これは典型的な、歯質がなくて被せ物による歯の抱え込み効果(フェルール効果)が期待できずに、被せ物、土台ごと外れてしまったケースです。

土台ごと外れてくるケースはほぼこれが原因です。(あとは割れてるとか・・・)

見た感じかなり歯質がなくなってて、正直、抜歯かな・・・と思いました!

この状態ではAPFのような歯肉や骨をいじっただけでは、清掃性等を含めて適応になりません。

しかし、レントゲン像を見て、これなら根っこも長いのでMTMのようにしっかり歯質を引っ張り上げるような処置ならできそうだ!と診断しました。

患者さんにMTMのお話をして、利点欠点のお話をしたところ、

なんとかこの歯を延命したいとのことで、MTMを希望されました!

では型どりをして、実際の装置が出来上がりました!

右上の八重歯にゴムをかけるフックが設置されています。

その歯の奥は銀歯が入っているのですが今後は虫歯になりくく、白いセラミックに変えたいという

ご希望があったため、銀歯を外して、一時的にワイヤーの設置に利用させてもらいました。

前の方のワイヤーも内側に入っているので、ほぼ口の外からは目立たないような設計に仕上がりました!

実際に、フックを引っ張る歯に設置し、ワイヤーの設置も終わり、ゴムを当日セッティングしました。

こうして、右であまり噛まないよう指示させていただき、3週間待ちました!

結果です

動いてきました!痛み等の症状もなかったそうです!

でも、ちょっと引っかかっているところがありそうです。

そこを削って、ゴムを再設置しました!

また2週間開けました!

 

ワイヤーとフックとの距離からこのワイヤーでの引っ張り上げの限界のようです。

今回は、八重歯の根っこの長さが十分取れていたいため、

ワイヤーを再作成して、歯の動く距離をさらに稼げると診断したので、

ワイヤーを再作成していきます!

 

今回は、ここまでです!

次回は、2個目のワイヤーの設置と、歯の動いた後の処置をお話しします!

 

全ては患者さんのために!

 

 

 

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科