こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は実際に歯周病治療を行う前の検査について書きたいと思います。
術前の検査はとても重要です。今お口の中がどのような状態なのかをなるべく正確に確認し把握しないといけません。診査診断をするためには検査がとても重要です。
例えると、地図を持たないで目的地に行くことは出来るかもしれませんが、道に迷ったり遠回りをしてしまったり、時間がかかり効率が良くないかもしれません。出発前になるべく多くの情報(今回では検査)を得て、ジェット機や飛行機を使う方がいいのか、新幹線がいいのか、車がいいのか、バイクがいいのかなど目的地へ一番効率がよい手段を選択できます。

実際の検査です。
まずは、問診です。
問診では受診の目的や経緯、現在過去の健康状態、生活習慣、アレルギーの有無、飲まれているお薬、喫煙歴の有無などを確認します。

次に、口腔内写真です。

口腔内写真は術前のお口の中の写真を撮ります。歯や歯周組織や咬み合わせの状態などを確認します。
次に、歯周組織検査です。
歯周組織検査は、歯の動揺度(歯が揺れているか確認します。)、歯周ポケット検査(歯と歯肉の隙間をプローブと呼ばれるものさしを使用して計測します。どの部分に歯周ポケットが深いのか歯周ポケットからの出血排膿など確認します。正常は約2〜3mmといわれます。)
次に、デンタルX線写真(14枚法)を撮影します。

歯科のレントゲン写真にはパノラマX線写真とデンタルX線写真と歯科用CTがあります。
今回の歯周病治療を行う前のX線検査では、デンタルX線写真(14枚法)を選択します。デンタルX線写真(14枚法)は、お口の中にセンサーが搭載しているフィルムのようなものを入れて撮影します。右上の奥歯(2枚)上の前歯(3枚)左上奥歯(2枚)合計7枚と下の歯も同様に右下の奥歯(2枚)下の前歯(3枚)左下の奥歯(2枚)撮影し上下で合計14枚です。歯の周りの歯周組織の状態など確認します。
もちろん、むし歯を確認や、根管治療が必要なのか、歯根の形態なども確認します。重度歯周病により歯周組織が破壊されている場合やデンタルX線写真(14枚法)よりもっと精度を上げて画像検査が必要と判断した場合には歯科用CTを撮影することもあります。
デンタルX線写真(14枚法)に比べ、パノラマX線写真1本1本の歯の周りの歯周組織を確認することは難しくデンタルX線写真の方が優れています。
パノラマX線写真は全体を把握するにはよいと思います。例えば、全体の歯を確認(欠損歯や過剰歯)、小児です永久歯の位置や有無、親知らず(智歯)の生え方、顎関節の形態など担当歯科医師が必要に応じて選択します。

今回は、歯周病治療を行う前の検査について書かせて頂きました。次回は実際の治療についてです。
ご不明な点がございましたら担当歯科医師までお声がけ頂ければと思います。
なるべく歯を残せるように精進していきたいと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

井上貴史

医療法人社団徹心会ハートフル歯科