中心結節について その危険性と予防方法
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 小坂井 竜也と申します。
今回は非常に厄介な中心結節についてお話しします!
中心結節とは歯の形態異常で、歯の噛み合わせの部分の真ん中に飛び出る突起のことを言います。だいたい11歳から12歳の頃の、下の歯の前から5番目の歯に一番多く現れます。
出展:口腔病理カラーアトラス
出現率は1~4%で、少なめに思えますが、この数字は意外と多いものです。
この突起は歯が生えたての時に存在するケースが多く、基本的には徐々にすり減っていくことがほとんどです。だいたい11歳から12歳の頃に多く見られます。
中心結節は折れやすく、破折すると痛みを生じて、神経を膿んでしまうケースがあります。
そして厄介なのはこの折れやすい時期が、歯が生えて根っこが完成していない時に起こりやすいことです。
根っこが完成していない歯の神経が感染すると、根っこの先が開いた状態での治療なので通常の根管清掃は難しく、お薬も入れる事が難しいのです。
最悪の場合、根っこの成長が不完全で短いので再感染しても治療が難しかったり、割れやすいので抜歯適応となってしまいます・・・
ただ、下記のブログ記事にて、感染が起こってしまった際の最新の治療方法をご紹介しておりますので、一読していただければと思います。
→「根未未完成歯を救う!リバスクラリゼーション」
そもそもなんで中心結節が割れてしまうだけで感染が起こりやすいのか、を説明します。
これは中心結節の特徴的な構造が挙げられます。
ここに断面図を提示します。
なんと中心結節のすぐ下には歯の神経があるのです!
だから破折したら神経がやられてしまうのです・・・
しかし、中心結節破折にはエビデンス(医学的根拠)のある予防方法があります!
それはシーラントあるいはCRというプラスチックで周りを補強することです!
これでほとんどのケースが予防可能となっております。
私は まずシーラントで中心結節を補強して結節と一緒にすり減ってくれるのを待ちます。
しかしシーラントのすり減りが早すぎるケースもあるので、その場合はより強力なCR(接着性レジン)にてコーティングします。
この白色のプラスチックがシーラントコーティングです。
これで、歯の神経、根っこを守る事ができるのです!!
中心結節は形態異常のカテゴリーなのですが、
このことを一般の患者さんや親御さんは知りません!
この中心結節は早期発見早期予防が不可欠です!!
お子さんの歯を救うために、もしこのような形の歯が見つかりそうでしたらすぐに相談ください!