歯を救うために歯根の中(根管内)ある破折片を除去した症例
こんにちは
いつもありがとうございます。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師 井上貴史と申します。
今回は歯を救うために、なるべく歯の根を残すために、根の治療(根管治療)の際に使用する器具(リーマー、ファイル、NI-TIファイル)が折れてしまい根の中(根管内)ある状態を除去した症例です。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師の野田裕亮先生が以前ハートフル総合歯科グループHPのブログで「根管治療における破折ファイルについて」詳しく書かれています。
こちらです。→http://www.e82.jp/blog/2019/10/post-378-705380.html
実際に根の中(根管内)ある破折物の除去を行ったケースとなります。
患者さんには治療写真やX-P写真などの資料を使用させて頂くことを十分に説明させて頂き同意を得て使用させて頂いております。
患者さんは右下の銀歯を白い歯にしたいため来院されました。喫煙歴や全身疾患はありませんでした。
術前に診査診断をしました。よく確認するとX-P写真から写り方が異なるものが確認されました。根の中に(近心根)部分に破折物のようなものがあるのではないかと思われます。
銀歯の被せ物(補綴物)を白い被せ物に変えるだけでなく、根管治療もすることを説明し治療に同意を得ました。
根管治療を開始し、以前根管治療をした際のお薬(ガッタパーチャ)を除去したX-P写真です
根の中に破折物が写っています。根の先(根尖)部分より先に押し出さないように注意しないといけません。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を応用して、根の中の部分の破折物を確認します。
実際の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の画像です。黄色の丸印の光っているものが破折物と思われます。
実際の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の画像で、低倍率で焦点を合わせてから最大倍率約20倍にて根っこの入り口(根管口)を確認します。
そうすると上の画像のように破折物が確認できます。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を応用して破折物を確認して、専用の器具を使用して振動を加えて慎重に除去しました。
破折片を押し出したら大変ですので、緊張しますがいつも通り確認して除去します。
除去後のX-P写真です。根の先(根尖)部分の破折物がないことを確認しました。
無事に除去できて嬉しいとともにほっとしました。
その後、根の治療(根管治療)を行い、根の中(根管内)に最後のお薬(ガッタパーチャ)をつめ(根管充填)土台を入れました。仮歯で状態を確認して最終的な被せ物にしたいと思います。
今後も注意深く経過観察させて頂きます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
井上貴史