こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

今回は自家歯牙移植シリーズ「自家歯牙移植は誰でもできるのか?」についてお話したいと思います。

一般的な自家歯牙移植の成功条件は

・抜かなければならない歯の周りの骨の状態がいい

・歯牙移植を行える歯があり健康である(保険適応できるのは親知らずか埋伏歯のみ)

・歯の大きさが移植する場所へ合う

・年齢が若いこと

・喫煙していないこと

  

上3項目は絶対条件ですが、下2項目は絶対条件ではありません。しかし、成功率を高めるためには血流量を確保する必要があるため、可能な限り若年齢であること(40歳以上は著しく成功率が下がります)、喫煙をしていないことが望ましいとされています。

外科処置全般に言えることですが、年齢は若いに越したことはありませんし、喫煙の有無は自家歯牙移植に限らず無いに越したことはありません。しかし歯が保存不可能になることなんて誰も予期出来るものではありません。

そこで、私が伝えたいことは「自家歯牙移植について知っていてもらいたい」ということです。思春期に親知らずが出てきたときに「親知らず抜かなきゃな」と親知らずは抜くものだと決めつけないこと。もちろん親知らずの萌出の向きにより他の歯や歯並びに悪影響を及ぼすものは保存すべきではありません。しかし、歯科衛生士さんにケアをしてもらいむし歯にもせず、歯周病にもせず残した親知らずは万が一のときの貯蓄になるのです。

10代後半や20代の患者さんとお話する時には必ず、将来奥歯を失った時に歯牙移植という選択肢があることを伝え、「親知らずまで守ってもらえるようしっかり定期検診していきましょう」とアドバイスをしています。

臼歯部で保存不可能な問題が生じた場合、抜歯が必要になりますが、抜歯をした後の治療プランとしてインプラント、ブリッジ、入れ歯を勧められることが多いと思います。そこに自家歯牙移植という選択肢がないことが多いと思いますが、知らなければそのまま3択のまま進められてしまうのです。ご自身が将来選択に迫られた時、「自家歯牙移植ってできますか?」と言えるかどうかでその後の口腔内環境は大きく変わるのではないでしょうか?

医療法人社団徹心会ハートフル歯科