上下歯牙の噛み合わせスペースがない場合
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
口腔内においてかぶせ物を入れる場合、
特に最後方臼歯に関して、上下歯牙の噛み合わせスペースがないことがあります。
このようなお話です…
下図は通常のクラウン形態です。
上下のクリアランスは十分あります。
しかし、かぶせ物を入れる場合に必要最低限の厚みが作れないケースが存在します。
このような場合を、「クリアランスが足りない」と表現します。
厚みが足りないと何が起きるか?
薄いかぶせ物ができます…
そして、そこに過剰な咬合圧がかかればかぶせ物は破折します。
過剰な咬合圧は脱離の原因にもなります。
私たちとしては、日常臨床の悩みのタネの一つです。
そのような場合は、どうするのか?
「うーん」と腕を組み唸っていても解決しません…
答えは、
スペースを上ではなく下、根管方向に作ります。
ポストクラウンと呼ばれるクラウンとコアが一体化している形にします。
当然、神経治療が終了している歯に限ります。
症例です。
45才 女性 右下7番セラミッククラウン脱離
数年前に当院で作製したセラミッククラウンが脱離して来院しました。
歯牙を確認すると、やはりクリアランスが不足しており、特に舌側において不足していました。
再度、形成の必要性を患者様に伝えて1Day Treatmentにて即日治療を行いました。
形成後の上下クリアランスの確認です。
ポストクラウンの形成です。
Primescanの焦点深度の向上によりポストクラウンのような深い形成も正確に撮影することができます。
セラミックのデザイン後です。
これらは撮影後に歯科医師と技工士がすぐにチェックします。
そして、コンピューター上ですぐに確認できるため、
形成量が不足していればさらに再形成を行います。
このようにして、精密なかぶせ物を作製します。
型取りの印象採得を行い、石膏模型にしてから確認して
再形成の場合、時間・手間・材料が必要になります。
最先端の治療を患者様に提供することは
患者様の笑顔につながると、私たちはいつも考えております。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山直樹