歯髄壊死は歯髄炎よりも痛みが強い?
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、「歯髄壊死は歯髄炎よりも痛みが強い?」について書いていきたいと思います。
なぜ、これをテーマに選んだかと言いますと、急患で来院された患者様の主訴の中で緊急度の高い処置にあたると考えているからです。急患にも今すぐ対応しなければならない処置と今すぐ処置しなくても初日は応急対応で後日時間をしっかりとかけて対応しても問題のない優先順位のものまであると思います。例えば、外傷などは即対応しなければいけない処置にあたるのではないでしょうか?それ以外にも、急性化している神経の炎症なども該当すると思います。
歯の痛みにも様々あると思いますが、「何もしなくても痛い」という状態があります。
このような痛みを自発痛と言います。これに対して、歯に刺激を与えた時に痛い場合は誘発痛と言います。そして、自発痛にも種類があります。
①神経に触るような鋭い痛み
②拍動するようなズキズキするような痛み
③鈍い痛み
④歯が浮いたような感じ
⑤違和感
痛みが現れてから患者が歯科医院を受診するまでの日数を調査した結果、歯髄壊死の患者は4日、歯髄炎の患者は9日であったという報告があるそうです。
つまり、この結果より歯髄壊死は歯髄炎と比べて痛みが強いということを表しているのではないでしょうか?
症例です。
35才 女性
右下6番
<主訴>
以前から右下6番において冷たいものや温かいものに痛みを感じていた。しばらくの間、様子を見ていたが、数日前から温度による痛みを感じることはなくなった。ところが、昨日から何もしていなくてもズキズキとした痛みが現れ、痛み止めを飲んでも効かず当院を急患で受診した。
<現病歴>
・歯髄の診査
冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)
・根尖部歯周組織の診査
打診(++)、根尖部圧痛(+)、sinus tract(-)
プロービングdepth(3mm)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Pulp necrosis (歯髄壊死)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis(症候性根尖性歯周炎)
<治療方針>
根管治療
術前レントゲン写真です。
根管口明示です。
近心に2根管、遠心に1根管あり、合わせて3根管あることを認めます。
術中レントゲン写真です。
2〜3回目の受診では痛みもすっかりなくなり、根管の清掃・消毒も終わりましたので、根管充填を行いました。術前に遠心根を取り囲むように根尖病変が認められましたので、今後の経過をしっかりと確認する必要がありますね♪(´ε` )
セラミッククラウンによるCAD/CAMを用いた即日治療後です。
お疲れ様でした♪( ´▽`)
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹