根管治療を極める!! ~さらなる高みを目指して~ (37)
こんにちは。
東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。
今回は開口量が少なく、かつ弯曲している
(根管が曲がっている)根管における
神経治療について書きたいと思います。
<症例⑦>
20代 女性
主訴:右下奥歯
歯が痛い。
<1回目>
右下第2大臼歯における
神経の部分的壊死と診断しました。
ちなみに部分的壊死の時が
一番痛みがあります。
患者さんの口腔内を確認すると、
開口量が少なく
治療器具も操作しにくい状態であり、
また歯が低位の萌出状態でした。
この場合ラバーダムがかかりませんので、
レジン(歯と同じような色をしたプラスチック材料)
にて歯の周りに引っかかりをつけて、
ラバーダムがかけられるようにしました。
これを隔壁といいます!
しかし、この患者さんは麻酔が大変効きづらく、
1回目は麻酔が効かない状態からの
お互いに必死の治療となりました。
<2回目>
前回治療後から帰宅後、
痛みが続いたそうです。
薬を飲んでも、夜中に何度も起きるような
状態とのことでした。
恐らく、神経が全部取りきれていなく
残髄(神経が残っていること)していることが
予想されました。
今回は髄腔内麻酔
(神経に直接麻酔をすること)により、
何とか麻酔を効かせることができました。
やっと、根管治療が出来る環境が整いました。
マイクロスコープ下にて、再精査しました。
すると、樋状根管の一部と弯曲根管に、
残髄を見つけました。
そして、除去。
結果、痛みが消えました!!
<3回目>
細い番手のファイルにて、
慎重に機械的拡大を行い、
弯曲根管に根管充填を行うことができました。
歯科の治療に簡単な治療はないと、
常日頃思います。
大事なことは基本コンセプトを守ることです!
ラバーダムによる無菌的処置、
マイクロスコープによる精密な治療。
ラバーダムをしないことは唾液に苦しみ、
根管内に細菌を入れてしまい、
再治療のリスクを上げてしまいます。
また、マイクロスコープがなければ
痛みの原因も分からず、
残髄している状態を
見逃してしまうかもしれません。
ハートフル歯科では、
基本コンセプトを守り、
かつ最先端の設備を駆使することで、
患者さんの歯を守るために全身全霊、
患者さんの声にこれからも応えていきたいと
思っております。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。