噛める入歯を作る!(上顎総入れ歯編)⑥~入れ歯の完成!患者さんのお口に合わせていく~
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井 竜也です
このシリーズでは上の総入れ歯の作っていく流れや、ポイントを中心にお話します。
前回は、仮の入れ歯を元に更に精度を上げていく「咬座印象」を行いました!
そうして出来上がってきた入れ歯を患者さんのお口に合わせていくのが今回のお話です!
まず、完成した入れ歯です
前回の仮の入れ歯とは違い、歯肉の色が再現されたプラスチックの床に歯がしっかり並んだ状態で完成されています。
強度があり、艶もある状態で仕上がってくれました。
あとは丁寧に手順を踏まえて入れ歯の適合を合わせていきます。
①内面チェック 見た目(審美)
入れ歯を最終形態に置き換えるときどうしても抑えられないのが収縮とうの変化です。
なので、まずは、器の適合の判断です。
入れ歯の内面に白い薄いシリコン材を均一に塗布します。
まずは、お口に入れて、手指圧で押して痛みがないか確認します。
この時、絶対に噛んでもらってはいけません!
最初から噛んでしまうと、入れ歯の器があっていないのか、噛み合わせが悪いから痛みが出でいるのかがわからなくなってしまうからです!
押して痛みもなく、入れ歯の内側は白く均一になっているので、適合自体は非常に良いものとなっていることがわかりました!
また、見た目も前回とほぼ変わらなかったため満足していただきました!
②噛み合わせチェック(咬合調整)
噛んでもらって痛みがないか?外れないかをチェックしていきます
色紙等で、チェックしていきます。この方は高さや噛み合わせは問題なかったのですが、歯ぎしりをした際に、入れ歯の揺れが大きかったため。横揺れ防止の噛み合わせの調整を行いました!
そうして、噛んでも痛みもなく、揺れにくいちょうどいい噛み合わせになりました!
③入れ歯の器の形のチェック
入れ歯の器のはシリコンでチェックしていきます!
入れ歯の維持力に関わってくる箇所と、引っかかり等があると、使ってみたあとの痛みの原因になってきます。
足りない部分もなく適合も良い感じでした!
これで大まかな、入れ歯の適合チェックは終わりです。
その後、発音をチェックして問題ありませんでした!
④最後にフードテストです!
これは、実際におせんべいなどを噛んでいただいて、痛みがあるかどうかや、入れ歯が落ちないかどうか?など調べていきます。
問題なく、なんでもたべれる!とのことで満足していただきました!
患者さんにも満足していただき非常に嬉しい症例になりました!
ただ、気をつけなくてはいけないことは、入れ歯の完成がゴールではなく、スタートということです!
新しい入れ歯は使っていただくと、どこか違和感等を生じてしまうことが多いのです。
そこで、必ず、また調整に来ていただくことが重要になります!
患者さんが慣れてくれることプラス、歯医者で調整していく
こうしてお互いの協力があってより良い入れ歯が出来上がるのです!
これで、この入れ歯は後日調整を経て無事、良い入れ歯を作ることができました!
なお、患者さんからは、この入れ歯と同じものが欲しいとの希望がありましたので、次回からは、コピーデンチャーを作成していきます!
また、このコピーデンチャーを使用して、今の入れ歯が噛めるのはなぜか?前の入れ歯が噛めなかった理由を調べることに成功しましたので、そのお話もしていこうと思います。
全ては患者さんのために!