こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します

前回から新しい歯牙移植症例集をお話しています

2023年8本目の症例です

 

8症例目といっても前回と同じ患者さん

別部位の歯牙移植です

 

今回は導入編としまして移植手術に至るまでをお話します

 

それでは改めて

患者さんは

むし歯で歯が欠けてしまって何から始めたらいいかわからない

と悩まれる20代前半の女性

歯医者さんが苦手でなかなか通院ができなかったとのこと

特に大きなむし歯は両側奥歯です

奥にはできたてホヤホヤの親知らずが

他のむし歯も治さねばなりませんが、

まずは親知らずを利用した歯牙移植を行い、

治癒を待っている間に他の部分の治療を行う計画を立てました。

両側の歯牙移植を計画しましたが今回のシリーズでは右下の親知らずの移植についてお話していきます。

左下の親知らずの移植が終わったときの写真がこちら

左下には一番奥から親知らずが移動しているのがわかります。

左下の生着を待ち右側の移植へと移行していきます

右側に関しては左ほど炎症は強くないまでも、

歯根未完成の親知らずの生長を考えた時に

できるだけ感染源がないように、

また親知らずの方がややサイズが小さいため緊密な縫合ができるように

抜歯後待機移植を行なう予定を立てました

抜歯後待機移植とは保存不可能歯の抜歯を行った後、歯肉の治癒を待ち

移植へ切り替える方法です。

抜歯後およそ4~9週間後が移植の目安。

それ以上過ぎていってしまうと支えていた骨(歯槽骨)が吸収を始めてしまい、

移植歯が入るスペースがなくなってきてしまう恐れが出てきます。

歯肉は治るけど骨は変わらないベストなタイミングで行うのが抜歯後待機移植です。

感染していた場所も回復期に向かっていますし、

今回のような移植歯の方がサイズが小さい場合にも緊密に縫合ができるというメリットがあります。

ただ患者さんは2度手術を行わねばならないので、患者さんとの話し合いは必要になるかと思います。

 

本日はここまで

 

次回は~移植編~

歯根未完成歯の移植についてお話していきます

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科