歯科のボトックス注射について考える
みなさんこんにちはハートフル総合歯科の野田裕亮です。
今回は今夏から導入されるボツリヌス療法についてお話していきます。
「ボツリヌス」というとピンとこないと思いますが、
みなさん「ボトックス」と聞けば聞いたことがあるかもしれません。
ボトックスはアメリカのアラガン社が製造した商品名で
正式には「ボツリヌス療法」というのが正解のようです。
(以下「ボツリヌス」と呼びます)
「ボツリヌス」と聞くとみなさん何をイメージしますか?
美容とかシワ取りとかそんなイメージがあるかもしれません。
もちろん皮膚科や美容整形の分野では
そういった効果を目的に施術をしています。
歯科の分野ではどのように使用しているか?
それは咬合のコントロール
簡単に言えば噛み合わせのコントロールです。
現代の日本人は約7割が歯軋りをしているそうです。
歯軋りにはギリギリを音をたてるもの、食いしばっているもの症状は様々です。
その歯軋りによって歯冠破折、歯根破折を起こしてしまうケースが多いのは
みなさんご存知ですか?
国が発表している歯の喪失ランキングによると
第1位歯周病
第2位むし歯
に次ぐ
第3位に破折がランクインしています。
むし歯や歯周病に関しての対策は
現在に至るまで予防歯科が普及してきており
患者さんご自身も
「歯周病守らなきゃ」「むし歯にならないように」と
気をつけていらっしゃると思います。
そのためもしかするとこの2018年のデータよりも喪失のパーセンテージは
下がっているかもしれません。
しかしながら破折に対してはどうでしょうか?
歯軋りや食いしばりを自覚はしていても、対策をとっていらっしゃる方はどれくらい
いるでしょう。
私自身も普段診療を行っていて歯を残せないかということで
セカンドオピニオンの患者さんがとても多くいらっしゃいますが、
その中で本当に手の施し用がない。
そういったケースのほとんどがこの破折によるものだと感じています。
今までは歯軋り、食いしばりに関してナイトガードと言って
マウスピースを作り就寝時等に使用するようにという対応しかできませんでした。
現在でも多くの歯科医院で行われていると思います。
このマウスピースでの治療も悪い治療ではありません。
過度な噛み合わせを逃し、力の分散をさせることは
問題を起こしている歯に対してできる優れた治療であると
思っております。
しかしながら、ナイトガードという名前のように
就寝時などの安静時に使用してもらうものになるため
食事中などには使用できず、ずっとはめていないといけない
異物感は否めません。
型取りのときの嘔吐反射もキツイですよね。
そう言ったものがなく施術をした日から咬合力のコントロールがつく
「ボツリヌス療法」
だんだん興味が出てきませんか?
詳しい話は次回したいと思います!
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・