根管治療を極める!!~さらなる高みを目指して~(81)咬むとイタイ、そんな時はマイクロクラックかも・・・
こんにちは。
三鷹市 ハートフル歯科医院、ハートフルデンタルクリニック、三鷹ハートフル小児歯科歯科医院、
三鷹ハートフル矯正歯科医院を含む、
ハートフル総合歯科医院グループ
歯科医師 本山です。
今回は、「マイクロクラック」について書きたいと思います。
クラックというのは、“ひび”のことです。
過去にも何度か書いているかと思います。
先日、下記にあるような患者さんが
来院されました。
症状だけで判断すると、抜髄(神経をとる)と
考えてしまいそうですが、口腔内を観察すると
銀歯の不適とその周辺にクラックが認められます。
これはもしかしたらクラックが神経まで
達していなければ神経を温存できる
かもしれないと考えました。
それでは症例をご覧下さい!
<症例⑫>
57才 女性
主訴:左下第一大臼歯、咬むと痛い。
ズキズキする。
初診時です。
銀歯が 入っていますが、赤い丸印をご覧下さい。
銀歯と歯質部分に不適が見られます。
また、マイクロスコープ下にて矢印部分にマイクロクラックが確認できます。
銀歯を除去してみると、むし歯があるのが
分かります。
むし歯を除去していくと、横方向にクラックが
確認できます。
咬合力により、このようなマイクロクラックが
起こると、そこから細菌感染し痛みを伴う症状が
出ることがあります。
その場合、ケースによっては歯髄炎を起こし
激しい痛みを引き起こすことがあります。
ちなみにこの患者さんは全体的に咬耗が
みられるような口腔内状態でした・・・
ただし、クラックの診断は非常に難しく、
歯髄炎のような症状を起こすことがあります。
そのため、今回はクラックが
どこまで進んでいるかの診断と
クラック部分におけるむし歯を除去し、
一度裏層材にて補強し
経過観察を行うことにしました。
症状によって、処置内容の決定を行います。
痛みが落ちついているようであれば、
頬側部分の咬頭を被覆した
セラミックを被せていく予定です。
クラック部分のむし歯を除去したところです。
裏層材にて補強を行ったところです。
この状態にて経過観察を行っていきます。
経過観察後、痛みもなくなりました。
セラミックの1 DAY トリートメントを
行なっていきます!
形成後です。
頬側の破折部分も被覆するような
形態にしております。
セラミックの被せ物をセットした状態です。
咬合面観です。
頬側面観です。
経過良好です。
継続して経過観察を行なっていきます。
どのような治療においても、
まず診査・診断から始まります。
「痛い⇒神経をとる」
「痛い⇒歯を抜く」
このような話をよく聞きます・・・
正確な診断は、歯を残すことにもつながります!
天然歯に勝るものはありません。
ハートフル歯科では、診査・診断を
重視しております。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。