歯牙移植症例集2022⑤〜根管治療編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から今年5シリーズ目となる歯牙移植症例集をお送りしております。
いつものように準備編、手術編、固定除去編、根管治療編、被せ物編と5ターンに分けて
構成していますのでご興味のあるところへ飛んでいただければ幸いです。
また以前のブログやY O U T U B Eも一緒にご覧いただければ
歯牙移植のイメージもつきやすいと思います。
よければそちらもご覧ください。
以前のブログはこちらから
歯牙移植症例集2022①
歯牙移植症例集2022②〜準備編〜
歯牙移植症例集2022③〜準備編〜
歯牙移植症例集2022④〜準備編〜
他多数
前回は固定除去編としてお話をさせていただきました。
前回までのブログはこちらから
歯牙移植症例集2022⑤〜準備編〜
歯牙移植症例集2022⑤〜手術編〜
歯牙移植症例集2022⑤〜固定除去編〜
今回は根管治療編。
固定除去した後の根管治療についてお話していきます。
前回までの流れはこちら
残根状態(むし歯により根っこだけの状態)の初診時
抜歯をして
移植床の形成を行い
移植歯を移植
縫合・固定
固定除去
ここまでが前回までの流れです。
固定除去をして若干の動揺であれば次に行う根管治療の治療期間中に
動揺が落ち着いてくることがほとんどのため、根管治療へと移行します。
根管治療の目的は根管内の環境をアルカリ性に保つことにあります。
移植歯は元々むし歯になっていたから根管治療が必要なわけではなく、
口腔外に摘出した際に失活(神経が死んでしまう)してしまうことで根管治療が必要となります。
外科治療後、抜歯窩付近では酸ホスファターゼ活性が優位になり、破骨細胞が多く発現されることで
骨吸収が起こります。
つまり何を言っているかというと、酸性に傾けば骨吸収に進みやすいということです。
これに抵抗するため、移植歯の根管治療を行い、アルカリ性のお薬を詰め、4週間前後経過をみます。
通常の根管治療の場合はお薬の交換をしながら3〜4回根管治療を行いますが、
移植歯の根管治療の場合、
初回に根管にアルカリのお薬を入れたら、4週間後に最終的なお薬を詰めます。
先ほどもお話したとおり、根管内は感染していないため、歯周組織の回復を見ながら
根管治療を終えていいのです。
根管治療を行った状態がこちら
この頃には動揺もほとんどなくなってきているため、
土台を立てて最終的な被せ物へと移行していきます。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません。
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残りますように・・・