神経を絶対とるな!マイクロスコープを用いた歯の神経の救い方⑤
みなさんこんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮です
前回からマイクロスコープ(歯科顕微鏡)を用いて行う
神経温存療法(Vital Pulp Therapy)についてお話しています。
前回までで
神経治療をすることでのデメリットについて
神経温存療法(VPT治療)の概要について
VPTの利点と効果について
お話をしました。
それぞれについての特徴は前回のブログをご覧ください。
前回までのブログはこちら
https://heartful-konkan.com/blog/23619
今回からはVPT治療の実際の症例をご紹介します。
まず感染歯質、むし歯の除去を徹底的に行います。
唾液の存在する環境下で神経付近の治療を行えば、
神経が露出したタイミングで唾液の中の細菌が感染に向いてしまうかもしれません。
VPT治療を行う際にはラバーダム防湿と呼ばれるゴムのマスクを行い、
唾液の侵入を抑えた状態でむし歯の除去を行なっていきます。
マイクロスコープで確認を行い、露髄(神経までむし歯が達している状態)が
確認されました。
残りの歯質にむし歯が残っていないか齲蝕検知液とよばれるむし歯の染め出し液で染色を行います。
青く染まった部分が見えるのでそこの感染歯質除去を進めます。
むし歯を取り切った状態がこちら
神経は露出していますが、そこから出血が出てくる様子はありません。
この時点で出血が治らなかったり、膿が出てくるようでは神経が感染を起こしてしまっているので残念ながら
神経を温存することができません。
そのまま根管治療へと移行することとなります。
今回は神経の温存が図れそうなので神経温存療法(VPT治療)へと進めていきます。
神経を保護するためにMTAを露出した神経に優しく覆っていきます。
過剰な部分は硬化後に整えるので、しっかりと神経を覆います。
MTAの硬化は時間がかかるため、当日は仮蓋を行なって終了となります。
仮蓋が外れてしまえばMTAによる神経保護にも影響が出てしまうので、
仮蓋の上からレジン(プラスチック)により二重での蓋を行います。
当日の治療は以上となります。
次回来院時、痛みがないかどうか、神経を保護したMTAはしっかりと硬化しているか確認を行い、
セラミック修復にて治療は完了となります。
VPT治療は最短ご来院2回で治療が終了します。
1日目:むし歯除去と神経温存療法(VPT治療)
2日目:症状の確認とセラミック修復治療
神経温存療法(VPT治療)は保険適応外の自由診療でご案内しております。
費用は15万円+税 (MTA代:5万円、セラミック代:10万円)となります。
VPT治療が適応になるかご相談のご希望があれば
ぜひご連絡ください!
次回はセラミック修復編をお送りいたします。
神経が残せればあなたの歯の寿命もきっと長く保てることでしょう
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・