エクストリュージョン(歯根挺出術)の症例①治療編
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前々回から以前お話した保存的治療法の中の一つであるエクストリュージョン(歯根挺出術)について診断編、手術編、治療編に分けてお話させていただいております。
以前の保存的治療についてのブログはこちら
前々回のエクストリュージョン(歯根挺出術)の症例①診断編のブログはこちら
前回のエクストリュージョン(歯根挺出術)の症例①手術編のブログはこちら
今回は最終章治療編について。
前回まででエクストリュージョンをし、歯肉整形をして仮歯を入れた状態にしました。
前回のお写真がこちら
1〜2週間後に歯肉の治癒を確認しながら抜糸を行います。
歯肉の引き締まりを待って最終的な被せ物へ。
被せ物セット直後の写真がこちら
1週間後のお写真がこちら
歯肉のラインが上がっているのが分かりますか?
健康な歯肉で引き締まりがみられればこのように綺麗に歯肉が上がってきます。
ここからは他の歯と変わらず歯磨きフロスをしっかりしていただくようになります。
エクストリュージョンは歯根の歯質をフェルール獲得のために一部利用し、被せ物を入れられるようにする処置のため、元あった歯根の長さから引っ張った分だけ短くなります。
そのため、すべての歯に対して行えるものではありません。また隣在歯がしっかりとした固定源でなければ引っ張ることができません。
(フェルールとは以前ブログよりhttps://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/11930)
元々歯根の短い歯、隣在歯が欠損または動揺している時には行うことができません。
事前にしっかりとした診査をすることで、エクストリュージョン後に耐えうる歯であるかを判断します。
もしかしたら残せるかもしれないと思った方に残せない事実をお伝えすることももちろんございます。
しかし以前受講した歯牙移植の権威である下地勲先生のお言葉をお借りするならば、
「残せる根っこはしっかりとした診断の元、残してあげなさい。」
エクストリュージョン(歯根挺出)も歯牙移植も接着治療も歯根を残すということでいえば共通した保存的治療です。
皆様の歯が1本でも残せるよう、日々精進しながら診療を行なっております。
ご不明な点があればぜひご相談ください。