こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

みなさんは年末年始どうお過ごしだったでしょうか?

年末テレビを見ていたらN H Kの番組「チョイス@病気になったとき」で歯牙移植について取り上げられていました。歯牙移植について以前のブログでも書かせていただきました。

以前の歯牙移植のブログはこちら https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/12007

あらゆる手を尽くしても保存ができなかった場合、歯を抜歯せざるを得ませんが、

親知らずがその保存不可能な歯とサイズが似ている場合、親知らずを移植することでそこに歯を蘇らすことができます。

インプラント治療の場合、人工物を骨に植え込んで被せ物をかぶせます。N H Kの番組でもインプラントを入れていらっしゃる方のインタビューで、「入れ歯やブリッジよりもインプラントの方が清掃性も良くよく噛める」とみなさんお話されていました。

治療費が高額なこと、外科的な処置が必要なことはありますが、将来性を考えれば1番の治療法だと私も思います。

しかし番組の中で、「噛み心地は歯牙移植の方がインプラントよりもいい」とお話されている方も多くいらっしゃいます。

どういうことなのか。写真にもあるように

天然の歯には「歯根膜」という組織があり、この歯根膜がクッションのような役割を果たすことで「硬い」「痛い」などと感じることができる。つまり「噛み心地」の機能として役割を果たしているのです。それに比べインプラントは人工歯根(多くはチタン)を歯槽骨に植え込み、ねじ込んだ人工歯根に被せ物をかぶせているので、歯根膜のようなクッションを果たせるものはありません。そのため、噛み心地も衝突に近い感覚だそうです。

歯牙移植は自分の歯として機能できるため、違和感もなく「移植した歯だということを意識することはほとんどない」そうです。しかしそれは移植手術が成功してこその話。

インプラント治療の成功率が論文発表で、下顎で98%以上、上顎で95%以上と言われているのに対し、歯牙移植の成功率は90%〜93%程度。「歯根膜」の再生能力がカギになるため術後の経過が不安定なこと、写真にもありますが以下のような条件が満たないと適応にならないことがあるため、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。

事前の診査診断が必要になりますが、将来違和感なく噛めるための一つの選択肢として、

もし保存不可能と診断されたら思い出してもらえれば幸いです。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科