破折歯接着治療症例集2022②〜診断編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回から破折歯接着治療症例集2022②として接着治療(口腔内直接法)の症例
についてお話していきたいと思います。
今回は〜診断編〜
破折の発見から治療法の選択までをお話していきます。
今回は途中から引き継がせていただいた症例になりますので、
術前のお写真がなくて申し訳ありません。
前歯の差し歯が外れたとのことでご来院いただいた30代女性の患者さんです。
土台の境目に怪しいヒビがあった為、金属の土台を外し、
マイクロスコープで確認を行うと、口蓋側(内側)歯質に割れが生じているのが確認できました。
ヒビや割れに対して保険内での治療はないため、
通常はこの時点で抜歯の宣告をせねばなりません。
しかし腫れや痛みもないことから、接着治療の適応になるかもしれない。
患者さんにはこれ以上の保険での診療は難しいが、
歯を保存するための接着治療が適応になるかもしれないとお話をし、
患者さんご自身も前歯なのでなんとか残したいとのことだったので、
根管治療を進めていくこととなりました。
根管内の虫歯や古い根管充填材を除去し、
複雑な割れ方をしていないかマイクロスコープで確認を行います。
亀裂自体は根尖方向へ一直線にはいっておりましたが、
それ以上の破折は見られなかったため、接着治療可能と判断。
破折部分の歯質を超音波器具にて選択的に綺麗にし、
破折部分の消毒を行うため、破折線に沿って消毒のお薬を貼付しました。
破折部分に外の歯肉が陥入してきてしまっていたり、
破折部分が分離して動揺していたりする場合は口腔内での接着は不可能となります。
そういった場合は口腔外接着法(再植法)での適応となるため、前回ご紹介した
破折歯接着治療症例集2022①をご覧ください
破折歯接着治療症例集2022①〜診断編〜
破折歯接着治療症例集2022①〜準備編〜
破折歯接着治療症例集2022①〜手術編前編〜
破折歯接着治療症例集2022①〜手術編後編〜
破折歯接着治療症例集2022①〜固定除去編〜
破折歯接着治療症例集2022①〜仮歯編〜
上記のように口腔外接着(再植法)しか適応にならない場合は口腔外科となるため、
ブログの数だけ治療回数がかかります。
少なくみても接着手術から2ヶ月は被せ物を入れることができません。
しかし口腔内接着の場合は早ければ次の回には被せ物の型取りができるため、
治療の回数もかからず、何よりも非外科のため患者さんの負担が少なくすみます。
「第1選択は口腔内接着」
可能な限り患者さんに負担がない治療を考え日々診療しております。
次回は〜接着編〜
実際の口腔内接着の流れについてお話します。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・