歯牙移植症例集2024②〜移植手術後編〜
みなさんこんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮です
今回は歯牙移植症例集2024の第2弾をお送りしています
今回お送りする歯牙移植は失活歯(根管治療済みの歯)を移植する移植術となります
前回までに治療計画と移植手術の術前の保存不可能歯の抜歯、移植床の形成から移植歯の抜歯・試適までお話しました。
前回までのブログはこちらから
前回までの流れはこちら
まずレントゲン上で割れてしまっている左下奥歯の抜歯を行います
これがレントゲン
抜歯をして
綺麗にします
6週間後の状態がこちら
この状態から移植へと切り替えていきます
まずは移植床の形成を行います
歯肉の切開を行い
切開部分を剥離して術野を確保します
中に残る炎症組織を掻爬していきます
ここからが移植床の形成です
無注水低速回転ドリルにより自家骨採取を行いながら移植床の形成を行います
インプラント用ドリルの最大のものまで拡大が終わったら
ドリル切削をした深さを確認して
次のステップへ進みます
移植床の横幅の調整をします
移植床が概ね削れたら移植歯の摘出に移ります
鉗子と呼ばれるペンチのような器具で移植歯を慎重に抜いていきます
綺麗に抜けました
抜歯ができたらそのまま移植床へ試適していきます
ピッタリ入りました
ここからが今回です
移植歯と移植床の隙間を埋めるため先ほどまで採取していた自家骨を填入していきます
自家骨を填入するメリットは大きく2つあります
1つ目は自家骨を填入することで移植歯のぐらつきが抑えられるということ
移植歯が生着するためにはしっかりとした固定により患部が安静に保たれることが必要です
縫合固定や接着剤による固定により歯冠部(歯の頭の部分)は固定できますが歯根部の固定は効きません
隙間を埋めることで移植歯歯根が安定すればリスクを下げられるので移植歯を安定させることはとても重要です
2つ目に自家骨の再性能を利用するということ
インプラント治療でも歯周病の手術でも自家骨を利用する方法があります
それは自家骨のもつ再性能に期待してのこと
人工骨は骨ができる足場として利用はできますが、骨片そのものに再生する力はないため
歯周組織の再生を考えたときに自家骨にかなう材料はないのです
以上2点の理由から移植時の自家骨採取を一番に考え移植手術を行なっています。
話が長くなりましたね。
自家骨を滅菌綿棒で圧接して綺麗にしたら
縫合固定をして手術終了です
最後は駆け足になってしまいましたが
続きは次回
手術をの経過についてお話していきます
次回からは〜術後編〜をお送りします
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・