歯牙移植症例集2022⑩〜最終補綴編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から歯牙移植症例集2022⑩と題して抜歯同時移植の症例をお話させていただいております。
前回のブログはこちら
歯牙移植症例集2022⑩〜診断編〜
https://heartful-konkan.com/blog/22723
歯牙移植症例集2022⑩〜手術編前編〜
https://heartful-konkan.com/blog/22775
歯牙移植症例集2022⑩〜手術編後編〜
https://heartful-konkan.com/blog/22778
歯牙移植症例集2022⑩〜固定除去編〜
今回は最終章〜最終補綴編〜
根管治療から最終的な被せ物までをお送ります。
ではまずあらすじから
左下7番の奥歯が予後不良を診断され、セカンドオピニオンにより来院された50代男性
術前の写真がこちら
仮蓋の入っている一番奥の歯を抜歯し、
歯牙レプリカを試適しながら
親知らずの移植をします。
移植歯を移植して縫合固定します。
この状態で4週間安静にします。
術後4週間後の状態がこちら
固定を除去した状態がこちら
ここからが最終章〜最終補綴編〜
固定除去後は根管治療を行います。
むし歯があるわけではありませんが、
移植手術時に口腔外に摘出された移植歯はその時点で失活(神経が死ぬ)してしまいます。
失活した歯が感染を起こせば、そこから毒素が溢出してしまい、
生着しようとする歯周組織の反応に反し、骨吸収を促進させてしまいます。
結果として移植失敗や術後の根尖性歯周炎を招き、長期的予後がついてきません。
そのため、移植後に歯根の生長が期待できる歯根未完成の幼弱永久歯を
移植歯として使用する場合以外は根管治療を行います。
根管充填を行い、
動揺度、歯周組織の回復を待って最終的な被せ物へと移行していきます。
グラスファイバーコアを植立し、
セラミックの被せ物を被せて治療終了です。
この症例も術後2年経過した症例ですが、痛みもなく安定しております。
インプラント治療もされている方なので、長く快適な生活が送れるよう、
引き続きしっかりメンテナンスで守っていきたいと思います。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・