入れ歯の完成!お口にフィットしていくためには?② 上顎総義歯⑤
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ小坂井竜也です。
今回は上の総入れ歯のシリーズの完結編です!
これまでの経緯は下のリンク先を参照にしてください。
https://heartful-konkan.com/blog/12606
https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/12662
https://heartful-konkan.com/blog/13083
前回は入れ歯の完成後のお口へのフィットの合わせ方について説明し、実践していきました!
再度、手順の確認です!
①外形の大まかな確認
②入れ歯をお口に入れた時の見た目の確認
③入れ歯の内側のフィットの確認
④噛み合わせの確認
⑤入れ歯の辺縁(まわり)の部分の過不足の確認
⑥実際に食べ物を食べれるか確認(フードテスト)
このうち前回で①②③までお話していきました。
今回はその続き、
④噛み合わせの確認から始めていきます。
③で内側の適合を求められたので、外側の適合、つまり噛み合わせを見ていきます。
まず噛んでもらい、ちゃんと両方の奥歯でバランスよく噛めているか確認します。
そして、前歯の突き上げがないか確認します。
上の入れ歯が落ちやすい方は、噛み合わせで前歯の突き上げがあり、テコの原理で
うしろが浮き上がって入れ歯が落っこちてしまうケースが多いのです。
今回は、やや右上のやえ歯付近に強く突き上げがあったため、緑の丸の箇所を咬合調整しました。
そうしたら前歯の突き上げは治りました。
そしてバランスよく噛めたら、ギリギリと横に動かしてもらいます。
ここで干渉があると上の入れ歯がグラグラ動くので、その動きがなくなるまで、高さを変えず干渉を
取り除きます。
そうして、噛み合わせの調整が終わりました!
内側の適合がよく、噛み合わせがぴったり合い、均一な力がかかることによって上の入れ歯がくっつくようになっていきます。
このケースでは上の顎の骨が少ない患者さんでしたが、噛んでもらった入れ歯は引っ張っても全く取れないくらいの吸着を求められました!
⑤入れ歯の辺縁(まわり)の部分の過不足の確認
噛み合わせの確認が終わったら、噛んで機能している状態での入れ歯の周りの枠の過不足を確認していきます。
今回は白いシリコンを入れ歯の辺縁(まわり)に薄く盛り、口の中に入れて検査をしていきました!
黄色の丸がシリコンが薄くなって部分で、入れ歯の枠が大きすぎる部分です。
このまま使用していくと、痛みが出できたり、傷になってしまうこともあります。
この部分を削っていき、白いシリコンが均一な状態になるまで繰り返します。
逆に、白いシリコンが厚くはみ出でいる部分は入れ歯の枠の不足部分です。
こういう部分は吸着が悪い場合だと、プラスチックを足していく必要がある場合があります。
注意か必要なのは、この段階は、入れ歯の内面と噛み合わせが合っていることをが前提です。
順番を間違えると、削ることによって泥沼にはまっていってしまうことも多々あるのです・・・
今回はバッチリ調整できました!
⑥実際に食べ物を食べれるか確認(フードテスト)
最後に実際の食べ物を噛んでいただき、ちゃんと噛めるか、入れ歯が落っこちないか確認します。
入れ歯は使えて初めて存在価値があるものなので、この工程は大切です!
この患者さんにはおせんべいを食べていただき、美味しく噛めるという感想をいただきました!
こういう言葉をいただくことが、なによりの励みとなります。
これにてセット日当日の治療は終了となります。
ここで大切なのは、これが患者さんと入れ歯のスタートとなることです!
新しい入れ歯はお口に慣らしていくことと、医院での調整の2つのことをして使えるようにしていく必要があります。
次回は完成入れ歯のセット後の調整と、お手入れ方法についてお話していきます。
全ては患者さんのために!