「光学印象」がもたらすメリット
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は「光学印象」についてお話させていただきます。
みなさん型取りをする時にオエっと気持ち悪くなることありませんか?
型取りと聞くと「あ〜ピンクのやつね」と知っていらっしゃる方多いと思います。
嘔吐反射がない人でも苦手な方が少なくないと思います。
私自身も型取りをしてみましたが、やはり固まるまでの拘束時間が苦痛でした。
通常、詰め物や被せ物、マウスピースなどを作る時には型を取り、石膏の模型を作って模型上で製作します。製作中に気泡が入ったり、割れてしまったりすれば再度型取りが必要になってしまうことがあります。
それに比べ、光学スキャナーのデジタル印象は、口腔内を直接スキャンすることで、印象材(ピンクのやつ)なしで印象採得を行うことができます。患者さんの印象採得時のストレスが軽減されます。
模型におこすのも従来の型取りでは、石膏が固まるまでに約30分弱かかるため、当日型取りのやり直しは患者さんが帰ってしまった後なので無理でしょう。光学スキャナーでは、かかっても5分程度のものなので、撮影した画像に不備があればその部分だけ撮影しなおせばいいので時間的負担も少ないと言えます。
また、以前のブログでも掲載しましたが、口腔内が写真を撮ったように鮮明に写るため、撮影した画像で今の状況をお伝えすることも可能です。
(写真は染め出しをして磨き残しのある部分を撮影したもの)
→https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/11920
高画質な3D画像なので患者さんも自分のお口の中の状態がどうなっているかイメージつきやすいと思います。
衛生士による歯磨き指導はもちろん、矯正治療やインプラント治療など全体的歯並びの診断や診断が必要な場合にも使用される頻度は増えるのではないでしょうか。
新しい分野としては訪問診療の場でも活躍が期待されています。以前の光学スキャナーは大型のものが多かったですが、現在ワイヤレスタイプのものやノートP Cに接続するようなハンディータイプのものが増えているため、在宅や介護施設への持ち運びも容易です。
型取りによる誤飲・誤嚥も防げるためより安全な治療が可能になるでしょう。
型取りも石膏操作もなく被せ物は作れてしまうのです。
これは患者さんにとってもストレスの少ない治療といえるでしょう。
光学スキャナーでの口腔内印象は現在自由診療のみに制限されています。
そのためどうしても保険診療での出番がないのが現状ですが、歯科金属の高騰やCAD/CAM機器の目覚ましい発展により近い将来保険診療にも参入する日が遠くはないでしょう。