「歯牙レプリカの役割」まとめ
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回は歯牙移植における「歯牙レプリカ」の役割について動画を用いてご紹介しました。
今回はそのまとめです。
従来法の歯牙移植と比較したレプリカ法のメリットについてお話させていただきます。
まず前回のブログからご覧いただければと思います。
https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/16554
従来法の歯牙移植の場合、受容床の形成をする際の型として、まず移植歯の抜歯が必要になります。
骨幅、深さをある程度事前のC Tで診断していても、インプラントのような規格化された形では
ないので出し入れをしながら適切な穴を掘る必要があります。
(インプラントは幅何mm、長さ何mmに合わせてドリルの形も決まっています)
以前ブログでもお書きしましたが、歯牙移植における制限時間は「18分」。
移植の際、一度抜歯をされると血流が遮断されるだけでなく、歯根の表面も乾燥が始まります。
また、受容床形成に何度も出し入れをされた歯根表面にはそれなりにストレスがかかります。
歯牙移植を成功させるカギは「歯根膜」。歯根膜のダメージを最低限にすることは、
歯牙移植の成功率を引き上げることにつながるのです。
一方、レプリカ法について。
レプリカ法は受容床の形成を歯牙レプリカで行います。保存不可能歯を抜歯し、
歯牙レプリカを出し入れしながら受容床の形成を行います。
すべて下準備が終わった状態で移植歯の抜歯を行います。
そのため、歯根膜のダメージが最小限で済むわけです。
歯牙移植について
「歯牙移植は手技が煩雑で・・・」「成功率の低い治療だから・・・」
と書いてある記事をよく見かけますが、
・事前に移植可能かどうかの診断をきっちり行うこと
・歯牙移植における「18分」をきっちり守れていること
最低この2点をしっかり守れば、それほど大変な手術ではありません。
そのサポートとして歯牙レプリカはなくてはならないものだと思っております。
(歯牙移植の患者さんを多数抱えた時は一時こんなに歯牙レプリカを作った時もありました・・・。)
歯を失ってしまうかもしれない・・・。
親知らずは抜かずにまだ残っている・・・。
もしかしたら歯牙移植の適応になるかもしれません。
何かあればぜひご相談ください。
Youtubeでも歯牙移植について詳しく説明しています。
よろしければ是非そちらもご覧ください!