破折歯接着治療症例集２０２２①〜手術編前編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から破折歯接着治療症例集２０２２①として接着治療の症例について
お話させていただいております。
今回は〜手術編前編〜
歯根破折歯に対しての口腔外接着法（再植法）の流れについてお話していきます。
まず前回のあらすじから
５０代男性、他院で歯根破折と診断され抜歯の宣告をされたとのことで、
なんとか残す術がないかのセカンドオピニオンでいらっしゃいました。
仮蓋を外したらパックリと割れてしまっているのがわかります。
マイクロスコープにより歯質の過剰切削に気をつけながら慎重にむし歯、
根管充填材を除去していきました。
これがキレイにした状態。
この状態で消毒のお薬を入れて蓋をし、快方に転じるか経過を見るところまで行いました。
そして２週間後、消毒のお薬の効きもあり舌側の腫れが消え、出血や膿もありません。
ここまで来れば歯周組織の回復は見込めるという判断から口腔外接着法（再植法）へと移行します。
まず破折歯の抜歯を行い
抜歯窩に残る炎症性の歯肉をキレイに掻爬します
ここまでしたら患者さんは一旦休憩です。
口腔外接着の破折歯の操作は全て口腔外で行います。
生理食塩水のシャーレの中で、
歯根表面にまとっている炎症性の歯肉も綺麗に掻爬していきます
外がキレイになったら破折歯内面をキレイにしていきます
仮蓋を除去し
根管の中も超音波により汚れを落としていきます
手術前の根管治療により、
根管内にあった根管充填材や取れる範囲でのむし歯を除去しているので、
ある程度根管内をキレイになっています。
この一手間を術前にしておくことで、手術時間の短縮につながり、
口腔外での操作時間が少なく済みます。
口腔外での操作時間が少なく済めば、
結果として再植時の生着率の低下を抑えることができ、
結果として成功率を高めることができると考えております。
ここまでが〜手術編前編〜となります。
次回からは〜手術編後編〜
キレイにした破折歯に接着操作をしていきます。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が１本でも多く残せますように・・・
