歯牙移植症例集2023③〜矯正治療開始編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から歯牙移植症例集2023③というテーマで歯牙移植の症例をお伝えしております。
ルートセパレーション(歯根分離)をして悪くなった歯根をなんとか残そうと
被せ物を入れていたが、歯根破折により残った歯根に破折が起こってしまった50代女性。
歯牙移植を計画しましたが、頬側の骨が少なく、斜めに移植することを余儀なくされました。
移植後矯正治療を行うことで、移植歯を起こし、正しい位置に並べる計画を立てました。
それでは前回までのあらすじから。
詳しくは前回までのブログをご覧ください。
https://heartful-konkan.com/blog/22949
https://heartful-konkan.com/blog/22987
https://heartful-konkan.com/blog/22991
術前の状態
術後の状態(固定除去後の写真)
ラバーダム防湿下で根管治療を行い、
根管充填した状態
ここまでが前回までのあらすじです。
このままでは矯正治療へ移行できないので、ファイバーコアの植立を行います。
ファイバーコアを植立した状態がこちら
ここから移植歯を起こす矯正を行っていきます。
外に張り出した移植歯を内側に入れるため、イメージはプロレスのリングです!
プロレスについて詳しくもないですし、ふざけている訳ではありませんが、
プロレスやボクシングのロープって、もたれかかるとビヨ〜んと戻りますよね。
その反動を矯正に応用しようという計画です。
移植歯の前後の歯の内側に矯正用のボタンを取り付け、
移植歯が内側に引っ込むように矯正用のゴムを頬側に通します。
移植歯前後の歯もやや内側に倒れているので、ゴムの張力により、
前後の歯も頬側に傾斜できれば儲けもの。
線を引いたように、こういう動きが出ればという計画で、矯正を始めていきました。
一つ気掛かりなのが下側の突起物。
舌触りが悪く、口内炎になるのが心配でした。
歯が動くまで4週間。
しっかり動いてくれることを祈るのみです。
次回は〜矯正治療終了編〜
移植歯の矯正後の状態についてお話していきます。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・