三鷹ハートフル総合歯科グループCASE JOURNAL
治療後の奥歯のデンタルX線写真本山先生の症例日誌01
治療後のレントゲン。神経は、残っています。

三鷹・歯髄温存療法の症例

深いむし歯。
それでも、
神経を残すと決めた日。

本山 直樹歯内療法専門医 / 三鷹ハートフル総合歯科グループ

患者さん

痛みはないんですが、むし歯が深いと言われました。神経は、残せるんでしょうか。

40代の男性です。左下の奥歯に、深いむし歯がありました。むし歯が神経の近くまで進んでいると、神経を取る治療(抜髄)を勧められることは、珍しくありません。

でも、神経を取った歯は、もう元には戻りません。だから、取る前に確かめることがあります。

This Case in 30 Seconds

相談
痛みのない、深いむし歯。神経を残せるか
確かめた
根の先に病気はないか。神経は生きているか。出血は止まるか。
選んだ
炎症のある部分だけを取り、神経を残す治療(MTAセメントによる部分断髄)
いま
根の先に異常はなく、経過を見ています
01

むし歯は深い。
でも、根の先は静かだった。

レントゲンでは、むし歯が神経のすぐ近くまで達していました。一方で、根の先には影がありません。神経が死んで、根の先まで感染が広がっている様子は見られませんでした。

術前のデンタルX線写真
PLATE 01術前 丸の部分が、深いむし歯。根の先(根尖部)に異常は見られません。
02

神経を取る前に、
確かめたこと。

本山

しみたり、痛んだりすることはありますか?

患者さん

いいえ、まったくありません。

何もしなくても強く痛む、夜も眠れないほど痛む。そうした症状があると、神経の炎症は広く進んでいることが多く、残すのは難しくなります。この患者さんには、自覚症状はありませんでした。

ただ、痛くないことは、神経が生きている証拠にはなりません。神経が静かに死んでいる場合もあるからです。そこで、電気診と冷温診で神経の生死を確かめました。どちらにも生活反応があり、神経は生きていると判断しました。

The Procedure

答えは、むし歯を取り切ったその先にある。

ラバーダムで歯を唾液から守り、マイクロスコープで拡大しながら、むし歯を丁寧に取り除いていきます。神経を残せるかどうかは、最後は、実際に神経を見て判断します。

むし歯を取り除いたあと、神経が露出した状態
Plate 02むし歯を取り除いたあと神経が露出しました。出血をコントロールでき、神経は生きていると判断しました。
MTAセメントで神経を覆った状態
Plate 03MTAセメントによる部分断髄炎症の及んだ神経を数mm取り除き、健康な断面をMTAセメントで覆いました。

← SWIPE →

03

出血が、止まるか。

むし歯を取り切ると、神経が顔を出しました。ここで見るのは、出血です。炎症が深くまで広がった神経は、なかなか血が止まりません。この歯は、出血をコントロールできました。神経はまだ生きている。そう判断しました。

04

取るのは、
炎症のある数ミリだけ。

神経をすべて取るのではなく、炎症の及んだ表面の数ミリだけを取り除きます。残った健康な神経の断面を、MTAセメントという材料で覆って封鎖する。部分断髄と呼ばれる方法です。神経を守る新しい硬い組織ができることを期待します。

本山

神経は、残せる状態でした。これから、経過を一緒に見ていきましょう。

05

その後。

治療から1か月後のレントゲンでは、MTAセメントが神経を覆っているのが確認でき、根の先にも異常は見られません。神経が生きた状態を保てているか、硬い組織ができていくかは、これからの定期的な確認で見ていきます。

術後のデンタルX線写真
PLATE 04術後1か月 丸の部分が、MTAセメントで覆ったところ。根の先にも異常は見られません。

深いむし歯は、
神経を取る理由の
すべてではない。

On Reflection

ただし、深いむし歯のすべてで、神経を残せるわけではありません。歯髄温存療法(VPT)が検討できるのは、いくつかの条件がそろったときです。条件に合わなければ、神経を取る治療の方がよい選択になることもあります。

  1. 01
    症状何もしなくても強く痛む症状が続いていないか
  2. 02
    神経の状態神経が生きているか、根の先に病気がないか
  3. 03
    出血のコントロール露出した神経の出血が止まるか
  4. 04
    確実な封鎖治療後に細菌が入らないよう、しっかりふさげるか

神経を取るか、残すか。その前に、神経がいまどんな状態なのかを確かめる。この症例でいちばん大事だったのは、そこでした。

Case Record

この症例の記録

患者さん
40代・男性
部位
左下の奥歯
行った診査
・処置
  • デンタルX線実施
  • ラバーダム実施
  • 神経の検査(電気診・冷温診)実施
  • マイクロスコープ実施
治療内容
MTAセメントによる部分断髄(歯髄温存療法)、セラミックの被せ物
通院回数
3回
歯髄温存療法1回/セラミックの被せ物(ワンデートリートメント)1回/術後の経過確認1回
費用
歯髄温存療法(MTAセメント使用)50,000円+税
セラミックの被せ物100,000円+税
主なリスク
治療後に痛みが出たり、神経が生きた状態を保てなかったりした場合は、神経を取る治療(根管治療)が必要になることがあります。

会話は、実際のやりとりをもとに再構成しています。掲載にあたり、患者さんの同意を得ています。

At Heartfull

神経を残せるかどうかは、
治療の精度で変わる。

神経を残す治療は、わずかな細菌の侵入で結果が変わります。三鷹ハートフル総合歯科グループでは、次の環境で治療を行っています。

  • 01
    マイクロスコープ肉眼では見えない神経の状態を、拡大して確かめる
  • 02
    ラバーダム治療中の歯を唾液から守り、細菌の侵入を防ぐ
  • 03
    ワンデートリートメント院内の歯科技工士と連携し、セラミックの被せ物の製作から装着までを1日で行う。仮の詰め物の期間をなくし、細菌が入るすき間をつくらない
  • 04
    歯内療法専門医が担当残せない場合の根管治療まで、同じ医師が判断
歯科医師 本山直樹

NAOKI MOTOYAMA
ENDODONTIST

Consultation

神経を取る前に、
一度、ご相談ください。

「神経を取りましょう」と言われた。本当に取るしかないのか、分からない。治療を決める前に、いまの歯の状態を、一緒に整理しましょう。

歯科医師 本山直樹

本山 直樹歯内療法専門医

  • 日本歯内療法学会 歯内療法専門医
  • 日本大学松戸歯学部 歯内療法学講座 研究生
  • 歯科医師臨床研修 指導医
Tel / ご相談・ご予約0422-66-9015タップで電話をかける

お電話で「本山先生の相談希望」とお伝えください。セカンドオピニオン(自費・60分・CT含む)は22,000円(税込)です。

本ページは実際の症例の紹介であり、同じ治療で同じ結果が得られることを示すものではありません。歯髄温存療法は、すべての歯で行えるわけではありません。個々の歯の状態は、診察・検査を行わなければ判断できません。

MITAKA HEARTFULL DENTAL GROUP — CASE JOURNAL No.01

医療法人社団徹心会ハートフル歯科