こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

前回からエクストリュージョン症例集2022と題して歯根挺出術の治療の流れをご紹介させていただいております。

前回は〜準備編〜としてエクストリュージョンを計画するところまでお話しました。

以前のブログはこちらから

エクストリュージョン症例集2022④〜準備編〜

エクストリュージョン症例集2022④〜準備編〜

今回は〜矯正実践編〜

今回から矯正器具をつけて垂直的に歯根を挺出していきます。

前回の写真がこちら

歯肉の中深くまで歯質を失っているのがわかります。

矯正器具の接着操作が難しくなるため、

フックがしっかり歯根につけられるように気をつける必要があります。

また、挺出させなければならない量が多いため、

いつもは4週間1セットを2クール程度で挺出終了することが多いですが、

今回はもう少し引っ張らなければなりません。

ただし引っ張りすぎは禁物。

引っ張りすぎなくて済むようにワイヤーの位置を決めながら矯正器具を設計します。

矯正器具を取り付けた状態がこちら。

隣在歯が捻転(ねじれている状態)だったり、

噛み合わせで矯正器具が噛まないような設計をしたため

少し見た目的に目立ちやすい設計となってしまいましたが、

マスク生活ということもあり、矯正期間中は我慢してもらいました。

さあこれで矯正治療の開始です。

初回は引っ張る歯根がしっかりしているため、矯正用ゴムの方が切れてしまうこともありますので、

ゴムを2〜3重に結んでおります。

この状態で4週間に一度ゴム交換をおこなっております。

矯正治療中は歯間ブラシやデンタルフロスは通らないため、

できる限りのケアにとどめてもらっております。

無理して通そうとすると器具の破損につながりやすいため、

ゴム交換の時にこちらでケアをするので歯間ブラシやデンタルフロスは避けてもらい、

上から軽く磨く程度にしてもらいます。

ここから4週間に一度ゴム交換をおこなっていきます。

上述の通り今回のケースは挺出させる量が多いので計3クール(12週間)

エクストリュージョンを行いました。

フックとワイヤーがくっついているのがお分かりになりますか?

術前と術後を比べてみると

〈術前〉

〈術後〉

ここまで引っ張れれば矯正治療は終了となります。

次回はエクストリュージョン症例集〜手術編〜

矯正後の流れについてご紹介します。

保存不可能と言われた場合、

もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません

抜いてしまうその前に一度ご相談ください。

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科