歯牙移植症例集2022③〜最終補綴編〜
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は今年3シリーズ目となる歯牙移植症例集をお話しております。
いつものように準備編、手術編、根管治療編、最終補綴編と4ターンに分けて
お話させていただければと思います。
前回までに準備編、手術編、根管治療編として
術前の抜歯から移植手術、固定除去、根管治療まで行いました。
今回は完結編になります
前回までのブログはこちらから
歯牙移植症例集2022③〜準備編〜
歯牙移植症例集2022③〜手術編〜
歯牙移植症例集2022③〜根管治療編〜
根管治療が済んだらいよいよ被せ物へと移行していきます。
とは言っても初めからなんでもバリバリ噛めるわけではありません。
・歯肉を整える
・噛ませてみて痛み、違和感がないかどうか
を目的にして仮歯を作り入れます。
約1ヶ月間、仮歯の状態で過ごしてもらい、
磨き残しがないようにしっかりケアができているかの確認、
お食事での痛み、違和感がないかどうかの確認をして問題がないようであれば
最終的な被せ物へと移行します。
今回のケースでは
保険診療での歯牙移植をご希望されたため、最終的な被せ物は銀歯となっておりますが、
保険の歯牙移植でも自費の歯牙移植でも基本的な治療の流れは変わりません。
最後に被せ物が入って治療終了となりました。
まだ、歯肉の出血等が若干残っているため引き続きメンテナンスにて経過観察をしていきますが、
食事中の違和感もなく食事では困っていないようで経過良好としております。
歯牙移植は組織の生着なくして成功にはならないため、
術後の経過がとても不安定なところがあります。
不安の残る手術でもしっかり生着するケースもあれば、
完璧な手術と思っていても生着が弱く動揺が残ってしまうケースもあります。
手術前には成功率も含めお話をした上で治療を進めさせていただいておりますが、
術後経過の不安定さが歯牙移植の浸透しにくい要因の一つなのかなとも思っています。
今後も1%でもリスクを下げられる手術ができるよう、
1%でも成功率を高められるよう、
情報発信していきながら日々精進していければと思っております。
保存不可能と言われた場合、
もしかしたら「保存的治療」によって治せる術があるかもしれません。
歯牙移植もその一つ。
保存不可能な歯を抜いて親知らずに植え替えますから抜歯をしているわけですが、
ご自身の歯を残して歯列を維持するという広い意味で言えば立派な「保存的治療」だと思います。
抜いてしまうその前に一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残りますように・・・