「保存的治療」における接着治療とは①
こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回のシリーズは症例集ではなく、当院の「保存的治療」についてお話しさせていただいております。
というのも来年度の新入社員を含めたオリエンテーションの中でスタッフ向けに
私の行なっている治療について院内でお話しする機会をいただいたので、
今回から何回かに分けていつもブログをご覧いただいている方向けに内容を患者さん向けに
少し修正してお送りできればと思っております。
今までのブログを読んでいただいている方からすれば総集編と言うような形での
お話となりますので、重複するところもあるかと思います。
今回からは「接着治療」についてお話ししていきます。
ところでみなさんは「歯根破折」による抜歯の頻度はどれくらいあるのかご存知でしょうか?
厚生労働省のH Pから「歯根破折」は歯周病、虫歯に次ぐ、歯の喪失の原因の第3位とされており、
矯正抜歯や埋伏歯の抜歯より多いのです。
主な原因は虫歯や太いメタルコアによる破折とされています。
右のグラフを見ると、40代以上の方の「歯の破折」による歯の喪失の割合が増加している
のがわかります。
それでは、接着治療が適応となる歯の状態について触れていきたいと思います。
以前のブログでも破折歯の分類をお話しさせていただいておりましたが、
(以前のブログはこちら
保存できる歯できない歯 https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/11922)
左側の歯冠部の破折、神経まで走ったヒビに関しては神経治療の有無はあっても、
通常の詰め物・被せ物の治療で歯の保存を行うことができます。
しかしながら右側の歯牙全体のヒビ、根尖からのヒビのような骨縁下に伸びる亀裂に対しては治療が
できないため、一般的に保存不可能と診断されます。
接着治療はこういった右側2つに対しての保存的治療となります。
それではこの歯根破折についてどのように見つけ、診断することができるのでしょうか?
そう、「マイクロスコープ」です。
肉眼では狭くて暗い根管の中ですが、その状態では歯根破折どころか綺麗なのか汚いのかも判断する
ことが難しいと思います。
マイクロスコープを用いることで、明るく拡大された環境で根管内の情報を得て診断を行っております。
当院で接着治療が多い理由もマイクロスコープにより診断し、その状態を患者さんと共有している
からだと考えております。
次回は「接着治療」の治療法の種類とそれぞれの特徴についてお話しさせていただきます。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・