こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。

今回のテーマは、「ナイトガード」です。

皆様、「ナイトガード」をご存知でしょうか?

ナイトガードは歯軋りを防いでくれるマウスピースです。

ところで、歯軋りにはどのような問題があると思いますか??

歯軋りは以下のような状態をつくります。

①上下の歯でこすり合わせが起こり、すり減りが起こる

エナメル質が欠けてしまい、象牙質や神経がむき出しになってしまうこともあります。
象牙質や神経がむき出しになると、知覚過敏やむし歯のリスクが高まります。

②歯周病の悪化
歯ぎしりで揺さぶられると歯槽骨が失われるスピードが早くなり、歯が倒れる・動くなど症状が悪化しやすくなってしまいます。

③歯が折れる・かぶせ物が壊れる
強い力が加わってレジンやセラミックが割れてしまうことがあります。
また、ご自身の歯も徐々に傷み、折れて抜歯が必要となることもあります。

④顎関節症
顎関節に圧力がかかり、顎関節症を発症することがあります。
顎関節症になると開閉時に痛みや音がしたり、口が開きにくくなったりします。

そこで、ナイトガードと呼ばれるマウスピースはどのような働きをしてくれるのか…

1.歯のすり減りを防ぐ

2.歯の揺れを防ぐ

3.詰め物・被せ物の破損、脱離を防ぐ

4.顎関節の負担を軽減する

睡眠中の食いしばりや歯軋りには、実は起床時の6倍もの力が歯にかかっているという報告があるそうです。そして、それらは主に精神的なストレスによって起こっているということが確認されています。寝る前には出来るだけリラックスして顎の筋肉の力を緩め、質の良い睡眠がとれるようにすることが大切です。ナイトガードを使用すると、マウスピースが歯にかかる負担を軽減してくれます。無理な力がかかって緊張状態にあった顎や顔の筋肉を緩めることで、自然な噛み合わせの位置に戻すことができるというわけです。

なぜ、今回ナイトガードの話をしているのか?

答えは、日常において、ふと目にする多くのの臨床症例を見て感じることがあるからです。

セラミック治療を日常的に行なっているとたくさんの患者様の口腔内を診察します。

すると、歯のすり減りやセラミックの破折をよく目にします。

ナイトガードの必要性を感じます。

「私は歯ぎしりなんかしてないから関係ない」

こんな言葉を耳にします。

多かれ少なかれ、歯ぎしりはしています。
噛む力というのは無意識的に動く筋肉も含まれているのです。

無意識的な場合は必ず意味があります。睡眠中に胃からあがってくる胃酸を中和する唾液を出すために歯ぎしりをしたりします。自己防衛本能に近い理由もあるのです。むし歯治療の際に歯に詰め物をした方は、歯ぎしりが原因で詰め物がとれたりもします。

ナイトガードは「歯を守る」装置であり、歯の破折予防につながります。

皆様の大切な歯を1本でも大事にするために…

“すべては患者様の笑顔のために”

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科