エクストリュージョンの症例集2021①〜最終補綴編〜
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回は前回までに引き続き、エクストリュージョン(歯根挺出術)についてお話させていただきます。
前回までのブログで
エクストリュージョン後の仮歯までの流れについてお話しました。
今回は最終話。最終的な被せ物ついてのお話をさせていただきます。
まず前回の仮歯が入った時のお写真がこちら
歯茎の状態はだいぶ良好なので、
歯根に残っているフックを除去して土台を立てる処置に移行します。
動揺が落ち着くまではセルフケアの見直しをし、最終的な被せ物が入る時期を待ちます。
手術後の歯茎の赤みも取れ、揺れも日常生活ではそれほど感じられなくなりました。
当院では最終的な被せ物はセレックにより製作しています。
デジタルで設計・製作ができるため、左右対称に被せ物を製作したり、
マウスピースを使用している方の場合は、マウスピースに合わせて元あった歯の形を製作する
こともできます。
今回の患者さんは、左右の歯の幅が異なるため、なるべく対称に見えるよう製作することは
難しい症例でしたが、患者さんも満足いただき、無事エクストリュージョン処置が終了しました。
噛み合わせで負担がかからないよう、継続的にしっかりメンテナンスしていく予定です。
エクストリュージョンはすべての歯に適応になる治療ではありません。
虫歯の状態や歯根の炎症の状態、歯根の形態や隣在歯の有無、隣在歯の骨植状態・・・。
どれか一つでも欠けていればエクストリュージョンの適応にならないことがあります
あなたのその歯がエクストリュージョンの適応になる歯なのか、抜歯をする前に一度ご相談ください。
私がエクストリュージョンや歯牙移植を教わった東京都国立市開業の下地先生は
よくこうおっしゃいます。
「残せる可能性がある歯を簡単に抜くんじゃない。」
セミナーを受講した時に強く印象を受け、今でもその言葉が頭に残っています。
おそらくエクストリュージョンや歯牙移植をされている先生方は、皆さんそう仰ると思います。
私も歯牙移植、エクストリュージョン、接着治療を担当するなかで常に歯の保存を第一に
考え、診療を行っております。
もちろん全ての歯が救えるわけではありません。
しかし本当になす術がない状態なのかは見てみないとなんとも言えません。
もし抜歯の宣告をされて悩まれている歯があれば是非一度ご相談ください。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・。