こんにちは!ハートフル歯科 歯科医師 小坂井 竜也です。

前回は、今回紹介する症例の、親知らずの痛みの原因や、安全に歯を抜いていくための診査診断についてのお話をしていきました。

親知らずが痛い!痛みの原因と歯を抜く方法 ①診査診断

今回は、それらを踏まえての実際の親知らず抜歯の処置についてのお話になります。

では、まずは歯を抜く処置は外科処置になりますので、処置中の痛みを取り除かなくてはなりません。

そこで、抜歯該当部に麻酔をしていきます。

今回は2種類の麻酔をしていきました。

①浸潤麻酔

②伝達麻酔

一つ目に関しては、歯科医療で一般的に使用されるものです。何を持って浸潤というと歯の周りの骨を浸潤して、歯の神経に麻酔が伝わっていくということです。

だから、上の歯の方が骨の密度が薄いので、麻酔が効きやすく、下の歯で特に奥歯は骨の密度がしっかりしているので麻酔が効きにくいという理由があります。

この理由により、親知らずの抜歯の際には①だけでなく②も併用していくことが多いのです。

では、②とはなんでしょう?これは正式名称を唱えれば自ずとわかります。

「下顎孔伝達麻酔」といい、この下顎孔から出ているものは下歯槽神経(と舌神経)です。

前回のブログをご覧の方はここでわかるかたもいらっしゃると思います。下歯槽神経は下歯槽管をとおって下顎を走行して、歯に繋がっています。

この神経の麻酔を効かせられれば、大元の下顎の神経をブロックできるので、非常に除痛に有利となるのです。

じゃあ、②の麻酔だけでいいじゃない?と思われるかたも当然いるかとは思いますが、②だけですと歯の周りの歯肉の感覚は別の神経が支配していることもあるので、①を先に使用していくのです。

②の麻酔が効くとその範囲側の半分の感覚が失われます。

また、麻酔の奏効時間は3時間ほど(個人差あり)になりますので、術前、術後の生活管理、例えば食事等には気をつけなくてはなりません。

そして、②を効かせるために、少し診療台に寝てもらって少し休憩してもらいます。

この方が、麻酔の効かせる方向を考えると効きやすくなるからです。

そして、麻酔が効いたのをある程度確認したら、抜歯のスタートです。

次回は実際の処置となります。

やや出血描写がでできますので先に注意喚起させていただきます。

 

全ては患者さんのために!

 

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科