こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は、、、

根尖部歯周組織診査について

「触診と打診」をテーマに書きたいと思います。

診査の重要性については

過去のブログでも繰り返しお伝えしていると思います。

それでは早速、今回のテーマについてお話しますね。

まず、「触診」についてになります。

触診は、「根尖部の圧痛」の診査です。

触診によって、同部周囲組織の炎症の有無を判断します。

私も一昔前は手指で根尖部を触診していました。

しかし、手指での触診では根尖部付近の狭い領域の症状部位特定には不適当であると教わりました。

鋭利なインスツルメントの場合、粘膜表面の痛みを感じます。

そのため、私はストッパーと呼ばれるインスツルメントの先端が丸い部分か、

もしくはディスポーザブ ルの綿棒を使用しています。

複数根の場合は、各根管の根尖部を診査します。

 

次は、「打診」です。

打診とは??

歯科医院に行くと、患歯(歯痛の原因歯)を調べるために

歯をコンコンと診査器具で叩かれた経験ありませんか?

打診はミラーやピンセットの後端を用いて、患歯を叩いてその痛みの程度を対照歯と比較する方法です。

隣接している健全歯から実施するとよいと言われています。

打診で何が分かるのか?

答えは、、、

歯根膜の炎症の有無が分かります!

歯根膜とは、歯根部分の表面(セメント質)と歯槽骨の間を結び付ける繊維性の結合組織を主体とした組織です。

食べ物を噛む時に歯にかかる力を吸収・緩和し、歯に加わる力が直接歯槽骨に伝わるのを和らげる

クッションの働きをしています。

打診は叩く方向によって2種類の方法を行います。

<垂直打診>

歯の長軸方向に叩打で反応すれば,根尖性歯周炎を疑います。

つまり、垂直打診であれば歯内疾患(根の病気)由来となります。

<水平打診>

歯軸と直角方向に叩打で反応すれば,慢性歯周炎を疑います。

つまり、水平打診であれば歯周疾患(歯肉の病気)由来となります。

 

打診時の打診音は生活歯では清音、失活歯では濁音と正確な判断は難しいと言われています。

私も正直なところ、分かりません(笑)

また、金属音(高音) の場合は、歯根の骨性癒着(アンキローシス)が生じているそうです。

☆骨性癒着(アンキローシス)

外傷による歯根膜の損傷や、歯根膜が壊死した状態で再植を行った場合に歯根膜の介在なしで歯槽骨と癒着します。

この時に打診では金属音となります。

また、生理的動揺は認めません。

レントゲン所見では歯根膜腔は消失し,虫喰い状の歯根面を呈します。

アンキローシスを生じた歯は、数年後には歯根が骨置換性外部吸収を起こします。

感染根管治療では治癒しません。

 

最後に打診痛について、

臨床上よく耳にするのが、「痛くはないけど響くような感じはあります。」

このような返答が多い傾 向にあることを感じます。

本当に痛いのか、不快なのか、違和感なのか?

患者様との問診において聴き取りを慎重に行うべきと言えますね( ^ω^ )

一つ一つのステップをしっかりと踏んでそのことが正確な診断へつながることを信じています。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科