口腔内接着法(直接法)の症例① 手術編
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回から口腔内接着法(直接法)について診断編、手術編、治療編に分けてお話をさせていただいていますが、今回はその第2弾の手術編です。
(口腔内接着法 診断編はこちら https://heartful-konkan.com/blog/dr_noda/13389)
手術編といっても口腔内接着法は非外科処置のため侵襲性が高い(※)治療ではありません。
簡単にいえば根管に医療用接着剤を流し込んで接着を埋めるというもの。
(※)侵襲性が高いとは腫れや痛みが伴いやすいということ
それではその流れについてご説明します。
前回の診断までできれいになった根管がこちら
ここから接着治療に移行します。
まず処理材により歯質の処理を行います。
これを行うことで汚染した歯質を除去し、接着の精度を向上させます。
水で洗浄した後、乾燥をさせます。
乾燥させたら医療用接着剤を根管に流し込みます。
粘稠度は操作時間に合わせて調整しています。
細い注射器を用いて破折を起こしている根管へ確実に填入していきます。
医療接着剤は流れが良く、破折部を埋めるように入っていってくれるのでこれによりヒビを埋めることが可能です。しかし、噛み合わせの力に対しての抵抗力がないため、医療用接着剤が硬化する前に、グラスファイバーの土台を織り交ぜて土台を立てていきます。(この治療の方法は先日亡くなられた眞坂信夫先生推奨の根築1回法による破折歯に対しての治療法になります。)
光照射によりグラスファイバーの土台が固まれば当日の治療は終了です。
(症例によっては当日仮歯まで製作して審美的に困らないように対応をさせていただいておりますが、噛み合わせによって接着部分に問題が起こらないよう大事をとってその日は仮歯を入れないケースもあります。その場合、翌日以降に仮歯を作成しております。)
口腔内接着法(直接法)は根管の内面からヒビを埋める処置になります。
歯根の外のヒビまでカバーできるわけではありません。
全てのケースで移行するわけではありませんが、術後、破折汚染部が原因で歯周組織に炎症が起こった場合、口腔外接着法(再植法)に移行することがあります。
歯周組織に炎症が起こらないよう、メンテナンスを行いながら清潔に保っていきましょう。
それでは次回は口腔内接着(直接法)の流れ第3弾治療編についてお書きします。
当院Youtubeでも公開しております。
動画の方も是非ご覧ください!
「歯が割れてしまった〜接着治療による破折歯の治療〜
「歯根破折で抜歯と宣告された方へ 接着治療・口腔内接着法(直接法)について解説します!」