コピーデンチャーでなければ難しかったケース⑴
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ小坂井 竜也です。
今回は、以前書かせていただいたコピーデンチャーのブログの実践編になります。
(https://heartful-konkan.com/blog/12572)
コピーデンチャーの得意とする症例は以前のブログで書かせていただきました。
今回は「入れ歯の形を変えたくないけど、新しい入れ歯を作らなくてはならないケース」
のお話になります。
何度も入れ歯の歯が取れてしまうことでお悩みの患者さんでした。
当院に10年以上前から通われている方で、使っている入れ歯の歯が取れたり、
割れたりする事で修理で来院されることの多い方でした。
そして、何度目か入れ歯の歯が取れてしまった事を主訴に来院されたのです。
お話を聞かせていただくと、この入れ歯は15年以上前から使っているもので、当院で作成したものではなく、少し特徴的な形をしたものとなっておりました。
修理した形跡が多く見られ、次はぎな感じが見られます。
何度も歯が取れてしまってることも鑑みると、新義歯が必要であると考えられます。
私は、患者さんに新しい入れ歯を作りませんかと提案したところ明確に拒絶されてしまいました・・・
実は当院でも過去に新義歯を作成したそうなのですが、患者さん曰くとても使えたものではなかったので、結局前の入れ歯を修理しつつ使用している状態が今日までに至っているそうです。
せっかく新しい入れ歯を作ったのに、これではがっかりですよね・・・
このケースは、実は入れ歯の受け入れ先である顎の骨がちゃんと残っているケースなのは分かる人は分かると思います。
一般的にそのようなケースは難易度としては容易と言われるのですが、実は違うのです。
顎の骨がしっかり残っている人ほど、噛み合わせがシビアになるので難易度が上がります。
これは、入れ歯の受けの部分が多いほど噛み合わせの干渉する余裕が無くなるからです。
吸着には有利なのですが、実際に使える入れ歯にするのは大変なのです。
でも、新しい入れ歯を作成しないと、どんどん劣化していき最悪修理不可能な状態になってしまうことが予測されます。
こういう時にコピーデンチャーは活躍します!
患者さんには、「今使っている形をコピーして入れ歯を作る方法があります。しかも、完成までにお試しで使っていただいて、調整をして慣れてちょうど良い感じになったらそのまま新入れ歯に置き換えられますよ!」
とお話ししたところ、試せるんだったらやってみたい!とのご回答を得ました。
この試せるっていうところがやはり重要なのです。
では早速コピーデンチャー作って、使ってもらいました!
それなりに綺麗に作ったのですが、新品の写真がありませんでした・・・
これだけでそれなりに使えたのですが、新しい入れ歯をより良くするため
細かい調整を重ねました!
コピーデンチャーの良いところは、加工もしやすいところにあります。
数回来ていただき、2ヶ月使ってもらったのち、ようやくお互い納得できる状態まで調整が終わりました。
このコピーデンチャーを精密な型取りの器として使い、新しい入れ歯に置き換えてもらいました。
この写真はその精密な型取りの際の紫のシリコンが残ってしまっていますね・・・
長くなってしまうので今回のブログはここまでです。
次回はその精密な型取りの方法と完成した入れ歯のお話をしていきます。
全ては患者さんのために!