こんにちは!ハートフル総合歯科グループ小坂井竜也です。

前回のブログ
根未完成歯を救う!リバスクラリゼーション
の続きになります!

今回のブログはリバスクラリゼーションの実際の症例のお話になります。

ケースは10歳の女の子、訴えは他院で治療中の歯が腫れて痛い!とのことです。
まずお口の中を見てみたら、左下の歯茎がパンパンに腫れてしまっていて非常に痛そうでした・・・

そして、これは左下第二小臼歯(前から5番目)の噛み合わせの面に稀にある突起が割れて、神経が感染してしまっている疑いがあることがわかりました。

この突起は中心結節といい、非常に厄介な形態異常で、大人になるとすり減ってなくなるのですが、突起の中にも神経が近接しているので、折れてしますと神経がダイレクトにダメージを受けてしまい、痛みを生じたり、膿んだりしてしまいます。そして最悪なのが歯根が成長途中に折れやすいので、根の成長が止まってしまうケースもあるのです・・・

(中心結節の詳細や、その対応に関しては後日ブログにてまとめさせていただきます。)
追記:中心結節についてまとめさせて頂きました!ぜひご一読いただけるとありがたいです。

中心結節について その危険性と予防方法

 

そして、レントゲンを撮影させてもらったら・・・

やはり根っこが完成していない!かつ、お薬が入っているが、もしかして、根っこの外に漏れている・・・?という疑いがありました。

この様な症例は基本的に厳しい条件なので、この歯に対して最善の治療をしていくが、確実な治癒はやってみないとわからないことを私は患者さんには説明します。
そして患者さん、お母様の了承を得ることができたので、治療を開始しました。

まずは、応急的にパンパンに腫れた歯肉を切開し、膿を出しました。
そこで、膿と一緒に古いお薬もどろっと出てきました!やはり根っこの外にお薬が飛び出していたようです・・・

さらに、今入ってるお薬をできる限り超音波等で除去しました。

かなり綺麗になりました!再感染防止のため、抗生物質と痛み止めを出させていただきました。

1週間後、チェックしたらあんなにパンパンだった歯茎はすっかり治っており、痛みも無くなっていました。

ここでやっとスタートラインに立てました!

次回はリバスクラリゼーションを行いました。
慎重に根っこの長さを測り、MTAセメントを置く位置を決めました。

そして根管を出血させて血である程度満たしてからセメントを入れていきます。

(とても難しい!!)

そして仮蓋をしてレントゲンで確認しました。

やや深くMTAが入ったものの、処置自体は成功したと言えます。
あとは、根未完成歯の根っこを作る力とMTAの効果に祈るのみ・・・

長くなってしまったので、次回のブログでお話ししたいと思います。
後半はこの治療の効果がわかりやすくレントゲン写真に現れてきます。

全ては患者さんのために!

医療法人社団徹心会ハートフル歯科