エクストリュージョンの症例集2021①〜準備編〜
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
今回からは歯根挺出術(エクストリュージョン)についてお話していきます。
以前のブログでもエクストリュージョンについては他のドクター含め書かせていただいておりますので、そちらもぜひお読みいただければと思います。
以前のブログはこちらから https://heartful-konkan.com/tag/エクストリュージョン/
今回は、昨年末に硬いものを噛んで歯が割れてしまったという80歳の男性の方です。
割れてしまった歯をお持ちいただきましたが、写真のように歯茎の中まで破折が進み、
このままでは戻すことも、被せ物を入れて復元することができません。
抜歯適応となり、抜くしかないと言われてしまってもおかしくありません。
しかし全身疾患等もないものの、80歳のご高齢ということもあり、
インプラントは望まれず、また隣接する歯も神経治療どころか80歳にして虫歯のない
綺麗な歯のため、80年持たせたこの歯をブリッジのために削りたくない。
そこで歯根の長さからエクストリュージョンをご提案し、歯質保存を第一に計画をしました。
まず、口腔内に残った破折片の除去と虫歯の除去を行います。
残った歯根に歯茎が乗っかってしまっている場合は麻酔をして、
歯茎をカットする必要がありますが、今回はその必要がありませんでしたので、
このまま矯正用の器具のための型取りを行います。
「どの位置にどの向きでそういう設計で矯正器具を作るのか」
いつも自分で設計図を描き、技工士さんにお願いをしています。
引っ張らなければならない歯根の状態や、隣接する歯の状態によって設計を変えなければなりません。
引っ張る期間はおよそ1ヶ月半〜2ヶ月ほどを予定している為、
「なるべく目立ちにくいように」を第一に考えて技工士さんとディスカッションしながら矯正器具を製作しています。
2週間ほどお時間をいただき、いよいよ矯正器具SET、エクストリュージョン開始です。
ここまでがエクストリュージョンの準備編になります。
次回からはいよいよエクストリュージョン開始です。
取り付けの流れや矯正中に気をつけて欲しいことなどを書かせていただければと思います。
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・