こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は根管治療後、つまり根管の清掃・消毒、根管充填まで終わった歯の3ヶ月後と6ヶ月後の経過観察を行うことができましたので、それに対しての予後を確認してみたいと思います。

根管治療の成功率に関しては、レントゲン写真上において治癒の基準を図ることが一般的ではないだろうか。レントゲン写真上で根尖部透過像が縮小してい る症例を治癒途中、または成功とみなすのか、より厳格な基準として完全に消失するまでは成功とみなさないのか、意見が分かれるところかもしれません。現在では前者の基準を指標とする報告が多いそうです。根尖病変の予後に影響する因子として、以下のようなものが考えられます。

初回の根管治療(抜髄)の場合は、

①術前の根尖部エックス線透過像の有無

②根管充填の緊密さ

③根管充填材と根尖の位置関係

④歯冠補綴(被せ物)における質

再根管治療の場合は、

根管系の本来の形態が保たれているかどうかということがさらなる影響因子となります。

根管のトランスポーテーション、穿孔、ストリッピングパーフォレーション、内部吸収など根管系に問題が生じていて、根尖に対してレントゲン透過像があった再根管治療の症例では術後 2 年の経過観察で 40% の成功率であったという報告があるそうです。初回の根管治療の場合は根管系を破壊することなく適切に治療が行われているかどうかが、予後やその後の再治療の成功率に影響すると言われています。 また、瘻孔や腫脹の存在などは治療の予後や成否をみる判断材料の一つでもあります。この経過観察には 4 年が望ましいとされています。仮に透過像が残っていても組織学的に炎症所見が認められないものでは、瘢痕治癒の可能性もあると考えられます。1 枚のレントゲン写真だけで根尖部透過像の有無を診査して治療の成否 や再治療の必要性を語ることは難しいというわけです

次回は、実際の症例を検討していきましょう。

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科