こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

昨年のお話ですが、、、

日本歯内療法学会 第 28 回 JEA 専門医セミナーをオンライン受講しました。

JEA 専門医セミナーは、2010 年度より「歯内療法のスタンダードを再考する」ことをメインテーマに行われています。

そして、学術委員会では2019 年度より発展性が期待できるアドバンスなセミナーを目指して、「新たな歯内療法のストラテジーを探求する」をメインテーマとして掲げ、

以下のような企画のセミナーテーマとして現在まで開催されてきました。

①「Pulpotomy と Revascularization」
②「令和の今こそ求められる歯内療法専門医の研究倫理と学会発表」

①は諸事情により受講できませんでしたが、②は昨年に受講することができました。

今年は新たな歯内療法のストラテジーを探求するシリーズの第 3 回として、③「ニッケルチタンファイルによる根管形成の現在と未来」をセミナーテーマに行われました。

林 洋介先生(東京都 高田馬場 新田歯科医院) と八幡 祥生先生(東北大学大学院歯学研究科エコロジー歯学講座歯科保存学分野)の2名の講師の先生方による

貴重なお話を視聴することができて、とても勉強になりました。

八幡先生のお話より、ニッケルチタンファイルは優れた金属材料学的性質から、今や根管形成に不可欠な器具になりつつあるが、治療成功に導く根管形成をいかに捉え、実践するかは術者に委ねられるはずであると仰られていました。そこで先生は根管形成にこだわるために必要な側面について、製品の開発動向及び金属材料学的視点からの俯瞰を含めた二ッケルチタンファイルの到達点について講演されていました。

一般臨床医におけるニッケルチタンファイルの導入の効果についての論文をまとめたものでは、使い始めれば高い使用率をキープしており、また質の高い根管充填は増えるが、質の低い根管充填は減らない、成功率は変わらない、使用経験が増えてもファイル破折は減らないといった結果があるとのことでした。つまり、ニッケルチタンファイルは使えているけれども、根管治療できていないという現実もあるというわけです。

根管形成をどうするかというところを疎かにしてニッケルチタンファイル使えばシンプルで効率的で、、、聞こえはいいですが、難しいことを簡単と誤解することは治療にとって悲劇なのではないかと八幡先生は仰られていました。まだまだ、根管治療全体としてはクリアすべき課題も残されており、志を高く、これからも日々勉強が必要であると感じさせられました。

 

さぁ、今日も一日頑張りましょう!

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科