左上の歯が痛く歯肉の違和感と痛みの治療について
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は、左上の歯が痛く歯肉の違和感と痛みがあることを主訴に来院されました。
根管治療を行ったケースについて書きたいと思います。
まずは、お口の中を確認していきます。
左上の前から4番目の第一小臼歯に打診痛があり、根先部圧痛がありました。
打診痛とは歯に歯科器具を使用してたたいてその反応を確認します。今回は左上4番が他の歯とは反応が異なり痛みがありました。
患者さんは以前の被せ物と歯肉の間が黒くなっていることも気になっているとのことでした。
根先部圧痛とは歯の根っこの先の歯肉を歯科器具または指で触り少し押して反応を確認します。
根先部に炎症等がある場合は違和感や痛みがあることがあります。
続いてデンタルX線写真撮影をして確認していきます。
こちらがデンタルX線写真です。
点線が根先部の透過像です。
根の先が黒くなっています。黒くなっている部分に病巣がある可能性が高いです。
白い線のようなものは以前に根管治療をされた時の根の中に入れたお薬です。
白い線より白色が強く写っているのが土台の心棒です。ネジのようにスレットが入っているスクリューピンと思われます。
左上第一小臼歯の根管治療が必要と判断し患者さんに説明し同意を得て治療を進めていくことになりました。
まずは、根管治療中になるべく痛みがないように歯科用麻酔を行います。
麻酔が効いていることを確認し根管治療をする前に以前治療してある被せ物を除去していきます。
注意深く被せ物を外していきます。
こちらが被せ物を除去した状態です。
歯が黒色や茶色に変色していました。
ゴールド色は土台のスクリューピンです。その周りの白い部分には歯科用レジンの土台が入っています。術前のデンタルX線写真で確認していたので良かったです。
術前の情報がしっかり確認できているのとできていないのとは全く異なります。
今回は左上の歯の痛みがありどの歯が原因の歯なのか、根管治療をする前に古い被せ物を除去するところまで書かせて頂きました。
次回は根管治療をするために土台の心棒のスクリューピンの除去について書きたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史