こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は、前回のブログからの続きです。

前回のブログでは、銀歯の被せ物と土台を除去して

隔壁まで作成しましたね。

 

今回の症例の場合、根管治療を進めていった結果として

問題のあった大きな根尖病変のある近心根において根の先である根尖部が

壊れている状態でした。

このような状態を「根尖が開いている」と表現することがあります。

もう少し詳しく説明していきますね。

歯の根の先には根尖孔と呼ばれる孔(あな)が開いています。そこから血管や神経が入ってきます。

根管治療はこの根尖孔を閉鎖する治療になります。

根管治療時には根管の清掃のためにある程度の大きさまでその孔を広げます。

但し、大きく広げれば良いと言うわけではありません。

通常の根尖孔は0.1〜0.2mm程度の孔です。大きく拡大しても0.3mmのところが、

再根管治療のように治療のやり直しを余儀なくされる場合には状態によっては

感染の除去を追及していく過程で1mmまで孔が広がってしまうことがあります。

例えば、0.2mmの根尖孔が5倍の1mmになると面積としては25倍になってしまいます。

ワインのコルク栓を想像して下さい!

ワインの瓶とは逆なのですが、コルク栓を瓶の中からするようなことであると考えてみて下さい。

ワインの瓶の口を広げすぎてしまった場合、ワインのコルクが密着しないのと同じになります。

当然、コルク栓を太くすることを考えますが、場合によってはコルクがすっぽ抜けてしまうことも

考えられますよね。

これと同じようなことが根管治療にも当てはまると言えます。

根尖孔を拡大しすぎてしまうと、しっかりした根尖孔の閉鎖がしにくくなります。

一般的に行われている根管充填は細い固形のガッターパーチャと呼ばれる樹脂を詰め込みます。

しかし、1mm程度に根の先を拡大してしまうと、通常のガッタパーチャのサイズの限界から

全てすっぽ抜けて骨の中に刺さり込みます。

結果として、治癒が困難になります。

それでは、どうするのか??

当院ではこのようなケースの場合、”MTA”を使用します。

MTAについては過去に何回もブログを書いていますので、

そちらをご参照下さい!

 

今回の症例における術中のレントゲン写真をご覧下さい。

近心根の根尖部が大きく開いているのが分かりますよね。

両隣在歯を比較すると一目瞭然です。

遠心根は問題なく根管の清掃と消毒が終わりましたので、ガッタパーチャによる根管充填を行いました。

根尖が開いている近心根にはMTAセメントにて封鎖を行いました。

根尖までしっかりときれいに充填できました。

この患者様は根尖病変が大きい方でしたので、今後の経過観察を慎重に行っていく必要があります。

今後の予定としては、ファイバーコアによる支台築造とセラミック治療にて終了予定です。

お疲れ様でした。

 

さぁ、今日も一日頑張りましょう!

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科