根管治療を極める!!~さらなる高みを目指して~ (48)Cracked Tooth Syndrome(クラックトゥースシンドローム)
こんにちは。
東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。
今回は、Cracked Tooth (歯のひび)について
書きたいと思います。
まず、こちらの症例をご覧下さい!
<症例⑩>
60代 男性
主訴:左下奥歯
硬い物が痛くて咬めない。
レントゲン像からは
確定的な所見は見当たりません・・・
歯髄診査を行い、
電気診よりvital(+)であり、
神経は生きていることが
確認できました。
また、口腔内所見より
歯肉の腫張が認められました。
歯周ポケットも6~7mmありました。
銀歯が入っており、
内部に虫歯の疑いもありました。
総合的に判断して、
クラック(歯のひび)からの感染と診断し、
根管治療を行なうことにしました。
根管口部付近にて
マイクロスコープを用いて確認すると、
赤い丸印部分にクラック(破折線)が
縦にのびているのが確認できます。
破折線が根管口部付近で
止まっていましたので、
根管治療を行なうことで、
歯の保存ができそうです。
破折線が、歯根の根尖部付近まで
ありますと歯の保存は
難しくなります。
Craced Toothは、
非常に診断が困難です。
元々、咬み合わせの不具合などにより、
歯の表面から生じるものです。
ひびの程度によっては、
咬むと痛い、冷たいものや温かいものに
しみるなど、神経の炎症に関わる症状を
示す場合が多くなります。
ここまでの話をまとめますと、
Cracked Tooth Syndromeは、
歯の不完全破折の結果として起こる
症状の総称を言います。
このような不完全な歯のひび割れは
垂直的な歯根破折に進行する
可能性もあります。
そのような場合、
抜歯しなければなりませんので
注意が必要です。
治療法は、クラック部分を含めて
咬頭を被覆する被覆冠を作るか、
クラックが神経まで達している場合は
神経処置をしなければならない
場合もあります。
Cracked Tooth Syndromeは、
診査・診断が非常に重要です。
そして、
破折の有無は
マイクロスコープがあると
非常に有効的に診断することが
可能となります。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。