こんにちは。

東京都三鷹市ハートフル歯科 
歯科医師の本山です。

今回から、日々の臨床における
根管治療の実際の症例についても
書いていきたいと思います。

<症例①>
30代  女性
主訴:左上前歯の被せ物がとれた。
   歯肉が腫れ、根の先端に違和感がある。

まず、最初の処置として被せ物が
土台ごと脱離していたため、
ラバーダムをかけられるだけの
歯牙がありませんでした。

そのため、隔壁を作成し
ラバーダム防湿を行いました。

そして、次の処置として実際に
被せ物がとれた根管内を
マイクロスコープで確認すると、
過去に充填された
根管充填材(ガッタパーチャ)が入っており、
細菌感染による根管内の汚れが
みられましたので、
ガッタパーチャを全て除去しました。

ガッタパーチャ除去後、
マイクロスコープ下で
根管内の清掃と十分な洗浄を
行いました。

この患者さんの場合は
根尖が壊れていたため、
通常の根管充填を行うことが
難しいと判断し、
MTAによる根管充填を行いました。

                                                  
3回の処置で終了することができました。

MTAは封鎖性がよく、
根管外に出た部分は
吸収されてなくなります。

また、MTAの上にセメント質などの
硬組織が作られるという
生体親和性の良い薬です。

根の先の神経血管の
出入り口(根尖孔)が
大きく開いてしまった場合や
本来穴が開くべきでない
根管の側壁などへの
穿孔などにリペアとして
用います。

治療経過は順調で、
違和感や腫れもなくなりました。

次回、ファイバーコア(土台)を入れて、
セラミックのクラウンを被せる
1Dayトリートメントの予定です。

根管治療も大切ですが、
その歯の長期予後を
考えると接着がしっかりしており、
細菌漏洩の観点からも
セラミックの1Dayトリートメントが
修復処置としては
ベストな治療かと思います。

“すべては患者様のために”

今後ともよろしくお願い致します。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科