こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。

今回は、「根管治療の歯と歯髄再生の歯、どっちが長持ちする?」というテーマで、2つの治療法についてまとめてみました。

「神経の治療をすれば、とりあえず歯は残るんですよね?」
患者さんからよくいただく質問です。

結論から言うと──
“神経が生きている歯”ほど強く、長く、健康に使えます。
近年の歯科医療では、歯髄を再生して歯の生命力を取り戻す選択肢が出てきました。
同じ「歯を残す」治療でも、その先に広がる未来は大きく異なります。
本記事では、根管治療の歯と歯髄再生の歯の“リアルな違い”を、患者さんにもわかりやすくお伝えします。

① 歯の寿命は圧倒的に「神経が生きている歯」が有利

■根管治療歯(神経を取った歯)

・内部の栄養供給が絶たれ、乾いた“枯れ木”状態
・割れやすく、10~15年の間にトラブルが出やすい
・最終的に抜歯へ進むケースも多い

■歯髄再生歯(神経が生きている歯)

・歯がしなり、破折しにくい構造に戻る
・血流と免疫が働くため、感染への抵抗力が高い
・長期予後(10年以上)で大きな差

→長持ちさせたいなら、歯髄が生きていることが最大の鍵。

② 構造的な強さ──“枯れ木の歯”か、“生きた歯”か

 


■根管治療歯

神経と血流を失った歯は、例えるなら乾いた木材。
弾性がなく縦に割れやすく、いったん割れるとほぼ抜歯です。
さらに、内部に細菌が侵入しやすく、再感染のリスクも。

■歯髄再生歯

歯髄がよみがえれば、歯の中に水分・細胞・血管が戻り、
外からの力を吸収できる“生きた構造”に復活。
内部免疫も働くため、再発率が著しく下がります。

→構造の強さは、再生歯が圧倒的に優位。

③ 治療後の機能──「感覚」があるかないかが決定的

■根管治療歯

・冷たい、熱いの感覚は消失
・力のコントロールが効きづらい
・危険信号(痛み)がないため、気づかないうちに割れることも

■歯髄再生歯

・正常な感覚が戻り、噛む力の微調整が可能
・“痛み”という安全装置が働き、歯を守る
・食事中の違和感がなく、自然な噛み心地に

→感覚は、歯を守る最強のセンサー。

④ 再発リスクの差──「治す」か、「守れる歯に戻す」か

■根管治療歯

・被せ物の下で虫歯が広がっても気づけない
・根尖病巣が再発しやすい
・再治療 → 抜歯の流れになりがち

■歯髄再生歯

・血流と免疫が残るため、感染に対して強い
・歯の防御力が維持され、再発率が低い
・「壊死 → 抜髄」の負のスパイラルを止められる

→再生は“トラブルに強い歯”を取り戻す治療。

⑤ 将来の選択肢──インプラントに行く未来を変える

■根管治療歯

・破折すれば即抜歯
・インプラントやブリッジの可能性が高い
・延命はできても“元には戻らない”

■歯髄再生歯

・自分の歯を長期的に使用できる
・将来の治療の選択肢が広がる
・「治す」ではなく「元に戻す」に近い医療

→未来の自由度が大きく変わる。

⑥患者さんの生活と心理の違い

■神経を失った歯を抱える不安

「また悪くなるかも……」
「噛むと何か怖い」
「いつか抜歯になるのでは?」
根管治療を終えた多くの方が感じるものです。

■歯髄再生後の安心感

・“自分の歯が生き返った”実感
・噛む感覚が自然でストレスがない
・長期的な安心感が圧倒的に違う

→生活の質まで変わる、それが歯髄再生治療。

まとめ:長く使える歯を選ぶなら、「生きている歯」を残す治療を

根管治療は必要な場面もあります。
しかし、選べるのであれば──
歯髄を守る・歯髄を再生する治療は、歯の寿命・強さ・将来の自由度のすべてで大きなメリットがあります。

三鷹ハートフル歯科では、
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本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科