「歯のヒビの痛み」と「神経の炎症」は何が違うの?
これら2つは、実はとても紛らわしい症状をしています。
こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。
今回のテーマは、「噛むと痛む歯の状態:ヒビと神経の症状による見分け方」です。
専門医が、これらの2つの歯の状態について、症状に基づいた見分け方を解説します。
「噛んだ時だけ痛い」
「冷たい物がしみる」
「なんとなく違和感が続く」
このような症状があると、
「神経が炎症を起こしているのかな…?」と思われる方が多いのではないでしょうか?

実は 歯のクラック(亀裂) でも同じような症状が出ることがあります。
クラックと神経の炎症(歯髄炎)が似ている点と、決定的に異なるポイントを
まとめて解説したいと思います。

【結論】症状は似ているが、“痛みの性質”が違う

まず結論として、クラックも神経の炎症も「しみる・痛む」という点で似ています。
そのため自己判断だと、とても間違えやすいです。
しかし、痛みの出方や特徴には明確な違いがあります。
ここを理解しておくと、来院のタイミングも分かりやすくなります。


クラック(歯の亀裂)に多い症状

噛んだ瞬間に “キーン” と鋭い痛み
→ 特に典型的。荷重がかかると亀裂が開き、その瞬間に痛みが出ます。
一部だけ強い痛みが出ることが多い
→ 歯の一部分に深いポケットができている場合もあります。
冷たいものがしみることもある
→ ただし、刺激を離すと痛みがすっと引くことが多いです。
見た目では分かりにくい
→ レントゲンに映らないため、専門的な診断(照射診・CT)が必要です。


神経の炎症(歯髄炎)に多い症状

冷たい物で強い痛みが出て、しばらく続く(持続痛)
→ これは“神経が悲鳴を上げている”典型的なサイン。
何もしていなくてもズキズキ痛む(自発痛)
→ 夜間に痛くて目が覚めることも。
噛んだ痛みよりも “響くような痛み” が特徴
→ 内圧の上昇によってズキズキとした痛みが続きます。


【比較】クラックと神経の炎症、何が違うの?

患者さん自身が判断するのは非常に難しいため、歯科医院での正確な診断が不可欠です。

放置すると…、どうなる?

■ クラック
放置すると亀裂が深くなり、
最悪の場合 歯が割れて抜歯になることもあります。
■ 神経の炎症
悪化すると神経が死んでしまい、
根の先に膿が溜まる「根尖性歯周炎」へ進行します。
どちらも早期発見・早期治療が鍵です。

このような症状があれば早めにご相談を

・噛んだ時だけ痛む
・一瞬“キーン”と痛む
・冷たい物がしみて、離しても痛みが続く
・夜にズキズキする
・どこが痛いか曖昧な感じがする
症状が似ているからこそ、自己判断は危険です。

三鷹市のハートフル歯科では “クラック診断” を重視

当院では以下の検査を組み合わせて、クラックと歯髄炎を精密に鑑別します。
・トランスイルミネーション(照射診)
・マイクロスコープ
・歯周ポケット検査
・CT、デンタルレントゲン
・咬合診査
「どこへ行っても原因が分からない痛み」の診断を得意としています。

まとめ

・クラックと神経の炎症は症状が似ている
・しかし「痛みの出方」が決定的に違う
・歯を守るためには早期の精密診断が重要
・放置は抜歯につながる可能性もある


「噛むと痛い」「しみる感じが変な気がする」

そんな時はすぐに相談を
症状の原因がクラックか、神経の炎症か、あるいは別のものか──患者さんご自身では判断が難しいため、少しでも気になる場合は早めの受診をおすすめします。
ハートフル歯科(三鷹市)では、“歯を残す”ことに特化した精密な診断・治療を行っています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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「すべては患者様の笑顔のために」

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科