リニューアルしたハートフル式根管治療〜化学的洗浄編〜
みなさんこんにちはハートフル総合歯科の野田裕亮です。
先日、午後の診療時間休診として2024年第2回のオリエンテーションを行いました。
今回はそのなかで遠藤先生が発表した
「ハートフル式根管治療の特徴」についてお話していきたいと思います。
みなさん根管治療って知っていますか?
むし歯が神経に達してしまったとき
また以前神経治療を行なった歯が再発をしてしまったとき
根管と呼ばれる神経のお部屋を治療する必要があります。
それを「根管治療」と呼びます。
根管治療は歯科治療のなかでも高頻度治療の一つで
「根管治療」「歯内療法」「根の治療」「歯根の治療」いろいろな呼び方で表されるので
歯にお悩みの方は聞いたことがあるかもしれません。
当院のHPでも載せておりますが、
根管はとても肉眼で見えるお部屋ではありません。
従来の根管治療では手指感覚を頼りにレントゲンと照らし合わせながら
中のお掃除をしていました。
当院では以前からすべての診療室にマイクロスコープを完備し、
保険・自費問わず根管治療時にはマイクロスコープ下の拡大した状態で
治療を行なってまいりました。
それにより治療の進捗状況が詳しく把握できたり
パーフォレーション(歯に穴が開くこと)や歯根の破折
を見逃さずに発見することができ、歯の救命率が格段に上がりました。
しかしイラストの下段のように根管の形態は単純なものが少なく、
組織標本で見るとこんな感じです。
メインの太い根管は根管治療により綺麗にすることができますが、
網目状に張り巡らされた細い根管には物理的に治療が届きません。
何が必要か?
それは化学的洗浄です。
当院では以前から「次亜塩素酸」を用いて
根管洗浄を行なっておりました。
「次亜塩素酸」は食塩水を電気分解したもので安全性の高い消毒薬です。
診療前にうがいとして使用したり、歯周病治療の一環として使用したりしていますが
根管内の洗浄に関しても濃度を上げたものを使用しておりました。
しかしながらタンパク質に触れると分解が速く
根管内の細菌を化学的に洗浄するのは消毒力が劣る可能性が高いと
以前から院内で議論がされてきました。
そこで今年度から
「次亜塩素酸ナトリウム」を化学的洗浄に使用することになりました。
「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸」は名前が似ていますが似て非なるものです。
次亜塩素酸ナトリウムは非常に強力な殺菌作用で取り残された神経も溶かしますが、
その強力な殺菌作用のため、歯肉や喉に溢れると痛みが生じます。
当院ではラバーダム防湿を行いながらの根管治療を行っているので、
安全に使用できる背景があるため、満場一致で導入することとなりました。
それでも万が一があってはいけないと
根尖(歯根の先端)から消毒薬が漏れないように側面に溝が掘ってある
専用の注射器を使用しながら洗浄を行っています。
これがリニューアルしたハートフル式根管治療のその1です。
次回はその2。ニッケルチタンファイルの使用についてお話していきます
あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・