こんにちはハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します

今回のシリーズでは新しい歯牙移植症例集をお話しています

２０２３年６本目の症例です

 

前回は手術編としまして実際の移植手術のお話しました

歯牙移植症例集２０２３⑥ 〜手術編〜

今回は～固定除去編～

 

それではあらすじから

患者さんは関東他県からいらっしゃった４０代男性

根管治療を行うも症状の改善ができずもしかしたら割れているかも・・・

と前院で指摘されセカンドオピニオンで来院された患者さん

保存を目的で来院されましたが、残念ながら保存不可能と診断をし、

代わりに左上の親知らずを移植する計画を立てました。

 

この保存不可能歯を抜歯して

 

左上の親知らずを移植

 

縫合固定を行ったら

 

接着性レジンにより二重固定を行います

 

この接着性レジンによる固定は亡くられた破折歯接着治療で有名な

眞坂信夫先生の考案されたMSBパックを応用したもの。

スーパーボンドという接着性レジンは接着力が高いだけでなく

組織に対しても炎症を起こしにくいため、破折した歯に対しての接着治療も効果のある材料です。

移植歯の固定の意味と創傷部の保護、治癒促進の意味合いもあり選択した方法です。

 

患者さんには少しざらざらした状態を４週間我慢してもらわねばなりませんが、

移植手術を５０件以上行ってきた中でこれが一番都合のいい固定方法でした。

固定期間中気をつけてもらいたいことは

・抗生物質をしっかりと飲むこと

・患部で硬いものを噛まないこと

・気になって舌で触りたくなるが舌で強く押さないようにすること

・上顎洞に近い手術を行った際、気圧の変化（飛行機やダイビング）は極力避けること

・喫煙は避けること（血行不良で治癒不全のリスクがある）

以上の点に気をつけてもらっています

 

今回の患者さんは年末のオペだったので固定除去は年明け、

年末年始が心配でしたが、年明けに固定除去をさせてもらいました。

固定除去した状態がこちら

 

やや深めに移植歯が入っていますが、

歯肉の状態も非常によく、炎症を疑わす所見は見えません

ここまで来れば一安心です。

固定除去が終われば次のステップ根管治療へ移行できます。

 

今日はここまで

 

次回は～根管治療編～移植歯の根管治療についてお話していきます

 

あなたの歯が１本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科